知ってますか?AGAにはたった2つの原因しかありません!

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AGAに悩まされている方の中には、「一体何が原因でAGAになってしまったのか」と悩んでいる方も多いでしょう。

実際、インターネットなどで、AGAの原因について調べてみると、と様々な要素が見つかります。しかし、厳密に男性型脱毛症(AGA)をひとつの症状として考えた場合、実はその原因は非常に限られます。インターネットでよくAGAの原因として紹介されているものは、AGAとは直接のつながりがなく、間接的なつながりがあったり、AGA以外の脱毛症の原因になっていたりするだけのものばかりです。

そこで今回は、直接的にAGAの原因となる要素は何なのかということや、AGA以外の脱毛症の原因となる要素についてお伝えします。

AGAの原因と、AGA以外の脱毛症の原因

一昔前に流行した育毛サロンなどに行くと、頭皮をマイクロスコープで撮影し、毛穴に詰まっている皮脂を見せて、「このままでは頭皮が呼吸できなくて薄毛になってしまう」などと言われました。しかし、皮脂が毛穴に詰まっているからといって、AGAになることはありませんし、人間は肺呼吸をする生き物なので、頭皮が呼吸するなどということもありません。

また、ストレスの多い環境下にいると髪の毛がハゲてしまうとも言われます。確かにストレスも、一種の脱毛症の原因になることはあります。しかし、AGAとは関係がありません。多くの方が、薄毛というものをひとくくりで捉えているために、そのような誤解が生じているのです。

確かに、薄毛の9割以上はAGA(男性型脱毛症)ですが、上記でご紹介したような、皮脂の過剰分泌やストレスなどというのはAGA以外の残り1割以下の脱毛症を促進させる要素なのです。

薄毛はAGAだけではない

髪の毛が抜けてしまい、いわゆるハゲという状態になるのは、全てがAGAというわけではありません。その他にも様々な種類の薄毛が存在します。

最も有名なものは円形脱毛症です。これは、年齢を問わずに発症し、その原因は免疫の過剰反応だといわれています。過去にはストレスが原因だと言われていた説もありましたが、現在は否定されています。

その他にも、パーマやヘアカラーなどによって起こる接触性皮膚炎から発展した脱毛や、皮脂の過剰分泌によって雑菌が繁殖して起こる脂漏性皮膚炎に伴う脱毛症、女性が出産を経験した後にホルモンのバランスが崩れて髪の毛が抜けてしまう分娩後脱毛症、栄養障害による脱毛症、精神疾患により、自分で自分の髪の毛を抜いてしまうトリコチロマニア、ポニーテールなどの常に髪の毛を引っ張り続ける髪型をしているために毛根に負荷がかかり髪の毛が抜けてしまう、牽引性脱毛症など、脱毛症全体の中のごく一部分を紹介しただけでも、これだけあります。

これらはすべて髪の毛が抜けてしまうという症状で、結果頭髪が薄くなるため、詳しい知識がない方からすると、すべて同じもののように見えてしまいます。しかし、今ご紹介したたくさんの種類の脱毛症はそれぞれ原因が全く異なります。そのため、治療方法も予防方法も別々のものになります。

多くの方は「髪の毛が薄くなる=ストレスのせい」「髪の毛が薄くなる=皮脂のせい」「髪の毛が薄くなる=シャンプーのせい」など、一部の脱毛症に該当する原因を全ての脱毛症に当てはめて考えてしまいます。しかしそれは多くの薄毛の原因であるAGAの原因には必ずしも当てはまらないのです。

AGAのメカニズム

AGAは、発症する人と発症しない人がいます。発症する人は、健康的な生活を送って、頭皮を清潔に保っていたとしても発症します。

逆に、発症しない人は不健康な生活を送って、頭皮が不潔な状態だったとしても発症しません(この場合はAGAではない他の脱毛症が引き起こされる可能性はありますが)。これは、AGAが外的な要因によって引き起こされるものではないということを現しています。簡単に言えば、血液の中を流れる男性ホルモンと、AGAの発症箇所の毛根に存在する酵素が結び付くことによって、悪玉ホルモンが生まれ、そのホルモンが毛根を攻撃することによって髪の毛が抜けてしまうのです。全ては頭皮の正面より数ミリ下で行われており、外的な要因が入り込む要素が非常に少ないのです。

その証拠に、病院の皮膚科にAGAの相談に行けば、プロペシアという医薬品を処方してもらうことになりますが、このプロペシアは飲み薬です。フィナステリドという成分が体内で溶け出し、血液の中に吸収されることによって、悪玉ホルモンの生成を防ぎます。病院で処方されるAGA治療薬が内服薬であるということからも、AGAは体内で原因が発生しているということがわかるでしょう。

たった2つのAGAの原因

AGAの原因から逆算した際に、確実に原因となる事柄は、2種類しかありません。

悪玉ホルモン

AGAの原因1つ目は悪玉ホルモンです。

正式名称をジヒドロテストステロンといいます。ジヒドロテストステロンは、男性ホルモンの代表格であるテストステロンと、毛根内部に存在している5αリダクターゼが結合することによって生成されます。このジヒドロテストステロンは、テストステロンの5倍から10倍という強い活性を持っており、胎児の場合は生殖器を作るという働きもありますが、成人男性には、脱毛を促進させたり、前立腺肥大症を発症させたいという悪い作用ばかり引き起こす少し厄介な存在です。

アンドロゲンレセプター

AGAの原因の2つ目はアンドロゲンレセプターです。

ジヒドロテストステロンは、それ自体が単体で毛根に存在していたとしても、脱毛症を引き起こすことはありません。アンドロゲンレセプターというホルモンの受容体にキャッチされることによって、脱毛作用を引き起こすのです。

具体的には、アンドロゲンレセプターと結びついたジヒドロテストステロンが、毛乳頭細胞の核へ移動し、そこからTGF-βという脱毛促進因子を発生させます。この脱毛促進因子は、髪の毛の正常な成長サイクルであるヘアサイクルを乱し、本来、3年から5年成長を続けるはずの髪の毛を、数ヶ月という単位で脱毛させてしまうのです。

このアンドロゲンレセプターは、感受性が高ければ高いほど脱毛を引き起こしやすく、感受性が低ければ低いほど脱毛を引き起こしにくいという特徴があります。そしてそれは先天的に決定しており、X染色体の上にこのアンドロゲンレセプターの感受性を示す遺伝子が存在するといわれています。X染色体は母親から引き継ぐため、このアンドロゲンレセプターの感受性は母方の家系からの遺伝子で受け継がれます。

AGAの語源から分かるAGAの原因

この2つの原因が揃ってAGAは発症します。そもそも、AGAというのは「Andro Genetic Alopesia」という言葉の頭文字をとっています。これは日本語に直すと、「ホルモンと遺伝による脱毛症」ということです。

ホルモンはジヒドロテストステロンのことを表しており、遺伝は、アンドロゲンレセプターのことを表しています。

AGAに直接関係がない原因

インターネットなどを見ていると、直接的にAGAの原因にはならないものが、AGAの原因として取り上げられていることがあります。

これは、AGA以外の脱毛症を引き起こす要素にはなりますが、直接的にAGAとは関わりのない要素です。ただし、これらの要素が原因となりAGAとAGA以外の脱毛症が併発し、髪の毛の抜けるスピードが一気にアップしてしまう可能性はあるので、無視することは出来ない大切な要素のひとつでもあります。

ストレス

ストレスが薄毛の原因といわれるのは、いくつかの理由があります。

1つ目の理由は、炎症による脱毛です。

ストレスが強くかかる環境下にいると交感神経と副交感神経のバランスが乱れ、アポクリン汗腺から、通常の汗とは違う、べたべたした汗が分泌されます。アポクリン汗腺から分泌される汗は、粘度が高く乾きにくい上に、悪臭を発生させます。頭皮の常在菌は湿度の高い場所を好み繁殖するため、雑菌の働きによって悪臭が出るのです。これらの常在菌が過剰繁殖し、炎症を起こすと、炎症性の脱毛症に発展します。

また、ストレスが薄毛の原因といわれる2つ目の理由は、同じく自律神経が乱れることによって、夜眠れなくなってしまうということです。

人の成長ホルモンは、その多くが夜に分泌されます。特に夜10時から深夜2時という時間帯に最も多く分泌されるのですが、この時間に睡眠をとっていないと、成長ホルモンの分泌量が少なくなります。成長ホルモンの働きのひとつに、頭髪の成長というものがありますので、夜眠れないということは、髪の毛の成長妨げるということにつながるのです。

皮脂の過剰分泌

皮脂は、正常な量が分泌されているだけであれば、何の問題もありません。むしろ、皮脂膜という紫外線をカットするバリアを作ってくれるので、頭皮に必要なものだと言えます。

そして、頭皮には常在菌という菌が生息しており、これらも増えすぎなければ頭皮を守る役割を果たしてくれます。しかし、皮脂が過剰に分泌されると、皮脂をエサとする常在菌の一種であるマラセチア菌が過剰に繁殖し、炎症を起こしてしまう可能性があります。炎症が起きるとその部分の髪の毛の毛包まで炎症が達した時に脱毛症を引き起こしてしまいます。一般的に言われているような、「皮脂が毛穴に詰まってしまうから髪の毛が抜ける」ということはありません。

シャンプー

シャンプーが薄毛の原因になると言われていることもあります。

例えば、「シリコンが入っているシャンプーは髪の毛に悪い」や、「温度の高いお湯でシャンプーをすると髪の毛に悪い」など、さまざまなことが言われています。

確かに、シャンプーは頭皮の汚れや皮脂を洗い流してくれるので、頭皮を清潔に保つ役には立ちますが、薄毛の原因になることはほとんどありません。シリコンは、よく悪者のように言われますが、頭皮や髪の毛に対して悪い作用を及ぼす要素はありません。育毛作用のあるシャンプーも、よくCMなどで流れていますが、シャンプーは洗浄剤であり、その成分が毛根の内部に入り込み、発毛を促進させるということはありません。

あくまでもシャンプーは、頭皮環境を整えるためのものだと割り切るのが良いでしょう。

まとめ~AGAの原因ではない要素も気にしておくべき!~

AGAの原因について、多くの人が誤解していることをまとめてみました。

本当の意味でのAGAの原因は、ジヒドロテストステロンとアンドロゲンレセプターの2種類であり、それ以外のよく言われている要素は、他の脱毛症を引き起こす可能性の高い要素でしかありません。

ただし、AGAと他の脱毛症が併発すると、見た目に大きな影響が出るため、結局のところ薄毛になりたくないのであれば、気にしておかなければいけません。

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