AGAに保険が利かない!?医療費控除制度なら適応可能!

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AGAを治療するための費用は、クリニックに通院して使用する場合も、個人輸入で薬を購入して治療する場合も、馬鹿にならないほど高額な費用が必要になります。

しかも、AGAはそのメカニズム上、半永久的に治療を続けなければなりません。ということは、極端な話その高額な治療費を死ぬまで払い続けなければならないということになるのです。

しかし、AGAクリニックも病院の皮膚科も、どちらも医師免許持った医師が経営している病院です。ということは、保険が適用されるのではないかと考えてしまいますが、実はAGAに関して一般的な保険は適用されません。

今回はなぜAGAに保険が適用されないのかという理由や、例外的に保険が適用されるケース、そしてAGA治療の費用を少しでも安くするために知っておきたい医療費控除の制度について説明させていただきます。

AGAは自由診療

AGA治療に保険が適用されないと聞いて、「病院で治療してもらう病気なのに、何故保険が適用されないのだろう」と疑問に思う方も多いと思います。

AGAの治療に保険が適用されない理由は、AGAが保険診療ではなく、自由診療だからです。この言葉だけを聞いても何を表しているのかよくわからないかもしれません。まずは、保険診療と自由診療はそれぞれの意味をお伝えいたします。

保険診療とは?

保険診療とは、誰もが持っている健康保険を使用して行われる医療行為のことです。この保険診療の特徴としては、どの医療機関を利用して治療を受けたとしても、治療内容によって金額が一律で設定されており、どの病院に行って治療を受けたとしても同じ金額の治療費になるということです。

北海道のある病院でインフルエンザの検査を受けても、沖縄のある病院でインフルエンザの検査を受けても、その検査の方法が同じであれば、必要になる費用が同じであるということです。医療機関ごとに値段設定を変えることはできません。

また、保険診療の場合は、実際にかかる費用の7割程度を保険が負担してくれます。そのため実際に患者側が払う費用は本来の金額の3割程度です。経済的に病気の治療が厳しいという人でも保険を利用することによって安心して気軽に治療を受けることができます。

ただし、保険診療は施術することが可能な治療内容に制限があるため、それを超える内容の治療は行うことができません。わかりやすく言うと「この病気の場合はこの薬かこの薬を処方します」というパターンがあり、そのパターンに当て嵌まった場合は保険が適用されるということです。

そのパターンに当てはまらない治療を行う場合は保険が適用されない自由診療になります。ただし、風邪などの軽度の病気であれば、ほとんどがそのパターンに当てはまるので、保険を利用することで経済的には非常に助かります。

自由診療とは?

自由診療とは保険が適用されない医療のことです。AGAは自由診療に当たります。

自由診療の場合、保険診療と違い各医療機関が好きなように金額設定をすることができます。自由診療は、その名前が示している通り、治療内容に自由が利き、制限がありません。

保険診療ではその制限のために十分な診察が受けられなかったり、納得いく治療を受けることができなかったりする場合もありますが、自由診療を受けることによって、保険診療では不可能だった治療を行えるというメリットがあります。

AGAにおける保険診療と自由診療の比較

AGA治療に関しては、そもそも保険診療で制限されている範囲内にAGA治療の項目が存在しません。

もしプロペシアなどの医薬品を内服することが保険診療の制限範囲内に含まれていれば、AGAの治療費は大きく安いものになっていたかもしれません。

AGAが保険診療に含まれない大きな理由の一つは、「AGAが痛みを伴わず、命にも関わらない」ということです。薄毛になることで、肉体的な不自由があればAGA治療薬を保険診療の制限範囲内に入れてくれるかもしれませんが、実際のところ髪の毛が抜けても痛みは伴いませんし、頭髪全体が薄くなってきたとしても、それによって死んでしまうということはありません。

保険が適用されるAGA以外の一部の脱毛症

AGAは保険が適用されませんが、一部の脱毛症は保険の適用範囲に該当します。その保険が適用される脱毛症とは「円形脱毛症」です。

円形脱毛症は、古くはストレスが原因になって発症すると言われていましたが、実際のところ原因はストレスではありません。現在最も有力な説は自己免疫疾患です。皮膚科に行き、治療を受けることによって保険が適用されます。

AGA治療は医療費控除を受けることが可能?

AGAに保険が適用されないということは、その高額な医療費をすべて全額自己負担しなければいけないということになるのでしょうか。実は、医療費を少しでも安くするための、保険以外の方法が存在します。それが医療費控除制度です。

この医療費控除制度を使用することによって、治療に使用したお金のうちの一部または大部分が返ってくる可能性があります。

医療費控除とは?

医療費控除とは、確定申告の際にその年に必要になった医療費を申告することによって、本人の負担を少しでも軽くするために、支払った医療費の一部を税金から控除するというシステムの事をいいます。これは、年間の医療費が10万円を超えた場合、10万円から、超過した分の金額が対象になります。病院に対して医師に支払った診療費や治療費、治療のために必要になったマッサージ、針、お灸などの費用、通院や入院に必要になる交通費などです。その他にも診断書代やベッド代、松葉杖や義手・義足の購入費、入院時の食事代、レーシック手術やメガネ、コンタクトレンズ代などといった視力に関する部分にも適用されます。

医療費控除のシュミレーション

この、医療費控除制度には計算式が存在します。その計算式は、1年間に必要になった医療費-保険金等の収入-10万円です。

要するに、財布から出ていたお金が10万円以上だった場合、10万円を超えた金額が返ってくるということです。AGA治療の場合、数種類の治療薬を組み合わせたら、1ヶ月1万円は確実に超えます。すると、年間12万円以上になるため、保険が全く適用されなかったと考えると、この医療費控除制度に該当するということになります。

例えば、月々の治療費が1万5000円だったとします。そして、7万円の育毛メソセラピーを1回受けたとします。すると、1年間にかかった費用は25万円ということになります。

この25万円は、保険が適用されずそのまま支払った形になりますので、10万円を超過している分、つまり15万円がこの医療費控除制度の対象となります。15万円も返ってきたら、かなりありがたいですよね。しかし、この医療費控除制度はAGAが該当するか該当しないかという部分では意見が分かれるところのようです。

AGAは医療費控除も受けられない?

AGAを治療行為と判断するのであれば、医療費控除制度を受ける資格があります。しかし、AGA治療は自由診療でありなおかつ、自分の容姿を美化するための費用だという考え方があります。つまり、美容整形と同じ扱いになるのです。

この場合は治療行為ではないため医療控除の対象外となってしまう可能性があります。ただし、AGAが原因で発症したストレスにより体調不良を起こしてしまったり、うつ病になってしまったりした場合は、AGAが精神疾患の原因となっており、健康に害を及ぼしている可能性があるため、医療費控除の適用対象になります。

このあたりは非常に難しい部分もありますが、現在AGAクリニックや病院の皮膚科によって医師の診断がしっかりと存在する状態で、予防ではなく治療目的で薬を処方してもらっていれば、医療費控除の対象になるようです。

ただし念のため税務署に行き、AGA治療が治療費控除の対象になるのかどうかは確認しておいた方が良いでしょう。最終的にはそのAGA治療が医療費控除の対象になるかどうかは、税務署の判断に委ねられるようです。

医療費控除を受ける方法

医療費控除は税務署に確定申告の際に申請する形になります。

サラリーマンの方の場合は、源泉徴収票と、治療の際の領収書、そして、交通費など領収書のない医療費の明細(自分で作成)。この三種類が必要になります。

サラリーマン以外の方の場合は、源泉徴収票を除き、治療の際の領収書と、交通費など領収書のない医療費の明細の2種類が必要になります。そして、国税庁のホームページから医療費の明細書をダウンロードし、自分で記入して税務署に提出しましょう。わざわざ足を運ばなくても、税務署に送付するだけでもOK です。

個人輸入で薬を購入した場合は医療費控除が受けられない?

現在、AGA治療では個人輸入の代理店を通じてAGA治療薬を購入する方も増えています。海外のジェネリック医薬品を個人輸入すれば、かなり安く治療費を賄うことができます。

この個人輸入で年間10万円以上使う人は少ないかもしれませんが、もしそれだけの費用をかけて個人輸入で治療薬を仕入れている場合、医療費控除を受けることは可能なのでしょうか?

結論から言えば、個人輸入で薬を購入した場合、医療費の控除を受けることはできません。なぜなら、個人輸入は医師の処方箋があって購入したものではなく、個人の判断で購入したものになるからです。

医療費控除を受けるための条件である「医師に支払った治療費」というものに該当しないのです。

まとめ〜クリニックで年間10万円以上使った場合は医療費控除を使おう~

AGA治療に関しては、自由診療という診療に該当するため、保険は適用されません。全て実費での支払いとなります。ただし、年間で10万円以上の医療費の支払いをした場合は医療費控除制度利用することが出来る可能性があります。

AGAクリニックなどで、育毛メソセラピーやHARG療法などを利用した場合、年間の治療費が簡単に10万円を超えます。お住まいの地域の税務署にあらかじめ確認しておくことは必要ですが、医師の診察があった上での治療であれば、多くの場合この医療費控除制度は適用されるようです。AGA治療を行う際には活用しましょう。

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