AGA治療の副作用発症リスクを治療薬ごとに解説!

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自分の薄毛を何とかしたいと、AGA治療開始しようとした際に、最も気になるのがその治療による副作用ではないでしょうか。

薄毛を治すために健康を失ってしまうのは本末転倒な気もします。今回の記事では、AGA治療に使用される医薬品や成分ごとに、どのような副作用が発症する危険性があるのかということや、それぞれの発症率などをまとめてみました。

これからAGA治療を始めようとしている方や、現在すでにAGA治療をしていて、使う薬を変えようと考えている方などは、参考にしてください!

気になるAGA治療による副作用は?

結論から言えば、AGAの治療に関しての副作用は確実に存在します。そして、副作用が発症する割合や症状は、どのようなAGA治療薬を使用するかによって大きく変わってきます。

そして、発毛効果が高い医薬品であるほど、副作用の危険性は高まると考えてください。そもそも、副作用というものは、その医薬品が体に及ぼす影響の中でも、使用者が求めていない影響のことを指して「副作用」と呼んでいるだけです。体への影響が大きい薬品であるほど、頭髪への影響も大きくなりますし、それ以外の部分に及ぼされる影響も大きくなりますよね。

そして、基本的に副作用は内服薬の方が大きく、外用薬の方が小さくなります。これもその薬理的な作用を考えれば当然の話で、内服薬は腸で吸収され、血液に乗って全身に成分が回ります。そのため、頭皮以外の部分にも影響が出てくるのです。

外用薬であれば、毛根まで届く量は少なくなるものの、経皮吸収される成分の量が少ないため、体への影響が出にくいのです。では、代表的なAGA治療薬を1つずつその副作用に注目してみていきましょう。

AGA治療成分ごとの副作用は?

フィナステリド(プロペシア)

AGA治療の内服薬として最も多く使用されているのが、このフィナステリドです。フィナステリドが登場したことによって、「AGAが治療できる」という考えが一般的になりました。それ程AGAに対する効果が高い成分だと言えます。

フィナステリドは、AGAの原因となる悪玉ホルモン「ジヒドロテストステロン」の発生を防ぎます。ジヒドロテストステロンは、AGAや前立腺肥大症の原因となるホルモンで、人の体にあまり良い影響を及ぼすものではないので、作られなくなったとしても人の体に対してそこまで大きなデメリットありません。

しかし、ホルモンに影響を与えるものであるため、やはり一定の割合で副作用の発症が認められています。フィナステリドが、日本国内で「プロペシア」という薬品名で厚生労働省からの認可を得る際に、臨床試験が行われました。

この臨床試験の結果、フィナステリド1mgを投与したグループの中で、5%の副作用の発症が認められました。ちなみに、プラセボ(偽薬)を使用したグループでは、2.2%の副作用の発症が認められました。その差は2.8%。つまり、そこまで大きな差はなかったということです。

ちなみに、発症率の高かった副作用は、性欲減退が1.1%、時機能不全が0.7%でした。これらの男性機能の低下については、精神的な部分が多いので「ホルモンに作用する薬を飲んでいる」という気持ちがメンタルに作用してしまい、男性機能に影響を及ぼしたという説が有力です。

また肝臓機能の低下という副作用もわずかに認められますが、こちらも重篤なものではなく、程度の軽いものでした。そのため、臨床試験の結果はいくつかの副作用の発症が認められたものの、そのほとんどは気にするほどのものではないということがわかります。

デュタステリド(ザガーロ)

デュタステリドは、フィナステリドをさらにパワーアップさせた成分だと考えてください。AGAに対する効果はフィナステリドの1.5倍だと言われています。

デュタステリドは、日本と海外の共同試験において、17.1%の副作用が報告されています。また、国内で行われた臨床試験の結果、16.7%の副作用の報告がありました。その内訳をみてみると、勃起不全が10.8%、性欲減退が8.3%、射精障害が4.2%です。

フィナステリドの副作用の項目でもお伝えした通り、こういった男性機能に関わる部分はメンタルの影響を大きく受けるので、どこまでが本当に副作用の範囲なのかはわかりません。しかし、割合としてはフィナステリドよりも高い数値を示していますので、効果が高い分、デュタステリドの方が副作用のリスクは高いと言えるのかもしれません。

ミノキシジルタブレット

現在のAGA治療業界の中で、最も高い効果があると言われているのがこのミノキシジルタブレットです。ミノキシジルという発毛成分を配合したサプリメントを内服して、髪の毛を増やします。ただし、効果が高い分、副作用の症状も大きくなります。

まず、代表的な副作用としてミノキシジルタブレットを服用した人のほとんどが、髪の毛だけではなく体毛が全体的に濃くなります。そして、ミノキシジルは元々高血圧の患者に使用される血圧降下剤として開発された医薬品だったため、内服することによって血圧が下がります。

そのため、飲んだ直後は、だるさを感じたり眠気を感じたりする人もいるようです。ミノキシジルタブレットは、日本国内では医薬品として認可されていないため、明確な臨床試験のデータなどはありません。そのため具体的に何%の割合で副作用が発症するのかということはわかりませんが、インターネット上の口コミなどを見てみると、その発症率はかなり高いと言えそうです。

とはいえ、命に関わるほど重篤な症状が発症しているという事例はありませんでしたので、薄毛の改善を深刻に考えている人であれば、AGA治療の最大の効果を発揮する治療薬としてある程度、受け入れる必要のある副作用なのかもしれません。

ミノキシジル外用薬

ミノキシジルタブレットは内服薬として口に入れるものでしたが、外用薬であれば頭皮に塗るだけで済みます。日本国内で承認されている医薬品としてはCMでもおなじみのリアップがあります。

リアップは、1999年に発売されると、「本当に効果のある育毛剤だ」として薄毛の方たちに受け入れられ、大量に販売されました。しかし、「新しい成分」ということもあり、プラシーボ効果のためか、多くの副作用の報告が大正製薬に寄せられました。

当時のリアップはミノキシジルの配合量が1%です。現在の配合量は5%ですので、明らかに増えているのですが、副作用の報告はほとんどなくなっています。つまり、当時寄せられた副作用のほとんどは気のせいだったという可能性が非常に高いです。

しかし、それを証明することはできないため、現在でもリアップの取扱説明書には、その時に寄せられた副作用の症状である、頭皮の異常や、動悸、めまいなどといった様々な副作用の可能性について書かれています。

しかし、これもインターネット上の口コミなどを見てみると、頭皮が腫れたりする以外の副作用は殆ど無いようです。頭皮の異常に関しても、ミノキシジルによるものなのか、防腐剤として配合されているアルコール成分によるものなのかはわかりません。とにかく、体調に異常をきたすほどの副作用はないと考えてよさそうです。

育毛剤(医薬部外品)

インターネットで育毛剤を検索すると、医薬部外品扱いの薬用育毛剤が多く見つかります。医薬部外品扱いというのは、配合されている成分が厚生労働省の認可を得ているということです。安全でなおかつ育毛効果は緩やかということが言えます。

配合されている成分のほとんどは天然由来の植物エキスであるため、副作用の発症リスクはほとんどありません。ただし、これもリアップと同様、防腐剤としてアルコール成分(その多くはエタノール)が配合されているため、その影響で頭皮が荒れたり、ただれたりする人もいるようです。

スカルプエッセンス(化粧品)

化粧品のカテゴリーで販売されている育毛剤のことをスカルプエッセンスと呼びます。開発されて間もない育毛成分が配合されている場合、それらの成分が厚生労働省に認可されていないので、医薬部外品として販売することができません。

そのため、キャピキシルやリデンシル、ピディオキシジルなどといった新しい育毛成分が配合されている育毛剤は、化粧品ジャンルで販売されているのです。

これについても基本的には外用薬であるため、副作用のリスクは少ないと言えます。その他の外用薬と同様に、アルコール成分が肌荒れを引き起こしてしまう可能性はあります。

育毛サプリ

医薬部外品扱いの育毛剤によくセット販売されている育毛サプリがあります。主要成分はノコギリヤシ、亜鉛、髪の毛の成長に必要な各種ビタミンなどです。これまでに説明してきた流れからすると、外用薬よりも内服薬の方が副作用の発症率が高いです。

ということは、口に入れる育毛サプリは副作用の危険性があるように感じるかもしれませんが、むしろここまでに紹介してきたAGA治療薬の中で、最も副作用の危険性が低いのがこの育毛サプリかもしれません。なぜなら、育毛サプリはあくまでもサプリメントだからです。薬ではありません。

サプリメントというのは栄養補助食品であり、普段の食事でまかないきれない栄養素を補うために摂取するものです。ほとんどの育毛サプリは食品という扱いになります。そのため過剰に摂取すればっ体調不良を起こす可能性はありますが、用量を守っていれば、副作用は気にする必要はありません。

AGAクリニックでも副作用は発症する?

AGAを治療する場合、AGAクリニックに通院し、医師の判断を仰ぎながら治療を進めていくのが最も安全で安心だと思うでしょう。しかし、実際のところAGAクリニックで処方される治療薬は、上記のフィナステリドやデュタステリド、ミノキシジルと言った副作用の危険性のある成分が配合された治療薬です。

同じ成分の薬を個人で購入しようが、AGAクリニックで処方してもらおうが、その副作用に変わりはありません。体調に異常が発生した際にすぐに担当の医師に相談できるというメリットはありますが、AGAクリニックに通院しているからといって副作用が発症しないという事ではありません。

まとめ~副作用を気にしすぎるのもよくない?~

ここまでにお伝えしてきた内容でお分かりのように、AGA治療にはある程度の副作用リスクが伴います。しかし、薬を使う以上、どうしても一定の確率で副作用のリスクというのは生まれます。例えば市販の風邪薬であっても、服用することによって失明してしまったというケースもあります。

化学成分と人の体というのは、合う場合もあれば合わない場合もあります。治療を始めてから、少しでも異常を感じたらすぐに断薬・減薬するなどのルールを自分に課すことによって、少しでも安全にAGA治療を進めていくことができるはずです。

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