
今回は、私の個人的なAGA治療体験をお伝えしようと思います。成分の解説や、AGAのメカニズム、発毛の仕組みなどを説明するよりも、実体験の方がより深くAGA治療の本質を理解してもらえる部分があると思います。
効果の出なかった治療方法から、発毛に成功し、現在使用している育毛剤や育毛方法などを体験ベースでお伝えしていきます。
誰のAGA治療体験なのか?
まず、体験談を話す私が誰なのかを説明します。
私は現在32歳の男性です。AGAの発症に気づいたのは26歳から27歳の頃です。もともとおでこが広い方ではあったので、さらにおでこが広がっているということには、なかなか気がつきませんでした。
会社で上司からから、かわれるように何度か薄毛の指摘をされたことがありましたが、「これはおでこが広いだけなんです」と言ってごまかしていました。
しかし、ある時おでこの生え際のラインがM 字型になっているということに気がつきました。もともと確かにおでこが広い方ではあったのですが、生え際のラインは水平だったはずです。
私の父親はMではなくUの形でおでこの真ん中からハゲていくタイプだったので、覚悟していたハゲかたと少し違ったので驚きでした。
今から考えれば、父親から薄毛の遺伝子は引き継がれないため、父親がハゲてようがハゲていまいがあまり関係はなかったのですが、かなり焦ったのを覚えています。
そこから、人に見られるのが嫌になり、営業の仕事だったのですが、仕事に対して消極的になってしまい、成績も下がりました。写真を撮られることを嫌うようになり、最初はからかっていた上司も、次第に私の薄毛をからかうことがなくなりました。
よく仕事で「怒られるうちが華、怒られないようになったら終わりだ」と言われますが、AGAも同じです。「からかわれるうちが華、からかわれないようになったら終わり」なのです。
そこから私は様々な薄毛治療をためし、効果が出たり出なかったりを繰り返しながら現在はある程度回復した状態で落ち着いています。今回はそこにたどり着くまでの体験をお話します。
体験1:育毛シャンプー・育毛トニック
自分がAGAだと気づいた時に最初に取った行動は、薬局に行き、育毛シャンプーと育毛トニックを購入したことでした。AGAに関する知識が全くなく、まずはテレビCMなどの影響もあってか、「髪の毛が生えそうだ」という理由で購入しました。
購入したのは、おそらくほとんどの人がCMで見たことがあるであろう有名な商品です。この時はまだ育毛剤を使うということが少し恥ずかしいことだと思っていたようです。育毛剤はアウトだけど育毛トニックはセーフという、今から考えるという意味不明な線引があったのかもしれません。
そして、お風呂で育毛シャンプーを使い、お風呂から上がったら育毛トニックをつけるという習慣を数ヶ月間繰り返しました。しかし、結論から言えばそれによって髪の毛が増えることはなく、むしろ薄毛は進行しました。
よくよく考えてみれば、シャンプーに薄毛を予防する効果など見込めませんし、ましてや発毛効果などあるはずがないのです。育毛トニックにしても、その配合成分を見れば発毛効果がないということは明らかです。
公式サイトやCMでアナウンスされている内容も、「髪の毛が生える」ということをはっきりと伝えるものではありません。消費者はイメージにかなり騙されているんだなということを実体験から感じます。
体験2:育毛剤
育毛シャンプーも育毛トニックも効果がありませんでした。そこで私はついに育毛剤に手を出しました。
私が最初に購入した育毛剤は、ドラッグストアで1000円前後で購入できるものでした。商品名は発毛促進をイメージさせるもので、現在でもバージョンアップされたものが販売されているようです。
これを使えば効果が出るはずだと思い、お風呂上りに毎日M字の部分に塗布していました。つけた瞬間のスースーとした感じから、「これは効果がありそうだ」と期待していましたが、結局のところほとんど効果がなく、効果がないどころか頭皮に若干の腫れを感じたため使用を中止しました。
そこで次に私が購入したのが、インターネット通販で販売している育毛剤です。厚生労働省に認可されて医薬部外品扱いとなっており、有効成分も数種類配合されています。インターネット上の口コミサイトなど見ても高い評価を得ていました。しかし、結局のところそれを使用してもあまり効果はありませんでした。
なぜなら、厚生労働省が認可しているその成分も、その作用はほとんどが保湿効果や殺菌効果であり、頭皮環境を整える作用しかありません。果たして育毛効果があるのかと言われると、はなはだ疑問です。
その育毛剤の販売サイト見ると、非常に髪の毛が生えそうな気がするのですが、調べれば調べるほどにその成分を使用しても髪の毛は生えないのではないかという疑問ばかりが生じるようになりました。
そして次に試したのは、医薬部外品ではなく化粧品扱いの育毛剤です。厚生労働省に医薬部外品として認可されている育毛剤は、逆に厚生労働省からの様々な制限を受けます。化粧品カテゴリで販売されている育毛剤は、その制約を受けることはなく、自由に成分配合することができるようです。
そして、世界的な化粧品展示会で賞を獲得したキャピキシルやリデンシルと言った最新の育毛成分が配合されている育毛剤を購入しました。価格は2万円弱です。手痛い出費でしたが、髪の毛が生えるのであれば、背に腹は代えられないと思い、購入しました。
そのように様々な育毛剤を試している間にも、私の薄毛は進行していました。この化粧品ジャンルの育毛剤に効果があったのかどうかは、実際のところよくわかりません。
なぜなら、使い始めて1ヶ月もたたないうちに私は男性型脱毛症診療ガイドラインという、ひとつの指標に出会ったからです。そこから私のAGA治療の方針は一気に変わりました。
体験3:男性型脱毛症診療ガイドラインを見る
育毛剤を試しても結果が出なかったことから、私はインターネット上の情報を元にして、AGAというものについて徹底的に調べ、勉強しました。そして、AGAのメカニズムやヘアサイクルなどについて知るうちにシャンプーや市販の育毛剤では髪の毛が生えることはないという結論に達しました。
そして出会ったのが「男性型脱毛症診療ガイドライン」です。これは医師も参考にしているAGA治療の日本で唯一のガイドラインであり、実際にこのガイドラインに基づいた治療を行うことでAGAを苦しくした人も多いという信頼できる資料です。
発行しているのは日本皮膚科学会という公的機関です。男性型脱毛症診療ガイドラインは、現在行われているAGA治療の方法や成分について一つ一つAランクからDランクまでの評価をしたものです。
このガイドラインは、エビデンスを非常に重視しており、第三者目線からの臨床試験の結果、発毛効果が認められていなければ、評価は著しく下がるというシステムになっています。つまり、客観的な統計データによって最も髪の毛が生える方法を導き出しているということが言えるのです。
そして、そこでAの評価を受けていた育毛成分が2種類ありました。それがミノキシジルとフィナステリドです。簡単に言えば、ミノキシジルが発毛促進の作用を持っており、フィナステリドがAGAの進行をストップさせる作用を持っています。AGA治療の専門医療機関であるAGAクリニックでも、治療の基本はこの2種類の成分の併用です。
メディアに踊らされることなく、最初からこの男性型脱毛症診療ガイドラインに出会っていれば、薄毛克服までどれだけ近道になっていたかわかりません。そこから私は、フィナステリドの内服薬とミノキシジルの外用薬を組み合わせるという治療方法にスイッチしました。
ミノキシジルの内服薬を使用しなかったのは、全身の体毛が濃くなるという副作用が嫌だったことや、その他日本で飲み薬として承認されていないという部分から若干の危険性を感じたためです。ミノキシジルの外用薬を使用して結果が出なければ内服薬を使用することも視野に入れようと考えていましたが、結果的にはミノキシジルは外用薬だけでも効果を発揮することができました。
現在の私のAGA治療方法
様々な育毛治療を体験してきた結果、私は自分なりに効果が期待できて、コストパフォーマンスが良いであろうAGA治療薬の組み合わせを見つけました。そしてその組み合わせで現在はある程度髪の毛が復活してきています。
まず使用しているのは、3種類の医薬品です。ミノキシジルの外用薬が2種類とフィナステリドの内服薬が1種類です。ミノキシジルの外用薬は、ポラリスNR10とカークランドです。フィナステリドの内服薬はフィナロイドです。
1つずつ説明していきます。
ポラリスNR10
ポラリスNR10は、なんとミノキシジルが16%配合されているという育毛業界でも最もミノキシジルの配合率が高い育毛剤です。クリームタイプなので、使用すると頭皮が白っぽくなります。そのため、夜寝る前に使用しています。
カークランド
もう1種類の外用薬であるカークランドは、ミノキシジルの配合率が5%です。こちらはべたつきや匂いが少なく使いやすいので、朝起きた時に使用しています。
また、ミノキシジル配合の外用薬の中で最も安く購入できるというのもメリットです。そして同時に朝起きたタイミングでフィナロイドを服用しています。
フィナロイド
フィナロイドは、比較的最近発売されたプロペシアのジェネリック医薬品です。こちらもカークランドと同じく、価格が安いので選びました。
もともとはフィンペシアというプロペシアのジェネリックが最安でしたが、フィナロイドもフィンペシアとほぼ同じ価格で購入が出来るということで、フィナロイドにしました。
ちなみに、決め手になったのはプロペシアと成分が同じであるということと、錠剤の色がプロペシアと同じだったということです。国内で承認されている医薬品であるプロペシアと同じ成分なのであれば、安心して使用できますよね。
この組み合わせに変えてから、一気に発毛が加速されました。M字でハゲている部分から、最初はうっすらと産毛が生え、その密度が徐々に濃くなってきました。そして現在では髪の毛の長さが違うので完全に元通りというわけではありませんが、生え際がほぼ一直線の状態になりました。
まとめ
これが私のAGA治療体験です。薄毛が発覚した頃の自分にこの体験談を見せてあげたいです。そして、育毛シャンプーや育毛トニックなどで、薄毛治療をしようとしている方や、効果の見込めない育毛剤に高額な費用を払っている方にも、この体験を参考にしていただき薄毛改善にお役立て頂ければ幸いです。