フケとかゆみが同時に起こる原因とその問題点とは!

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フケは誰にでも起こりうる生理現象の結果とも言えるものですが、あまりにも大量にフケが出る場合や、フケにともなってかゆみがあるような場合、なんらかの疾患にかかっている可能性があります。

では、フケにともなってかゆみが出る原因は何なのでしょうか。また、その際にどのような問題が生じるのでしょうか。フケやかゆみへの対策とあわせて解説していきたいと思います。

フケは生理現象?

フケやかゆみの原因について解説する前に、まずはフケとはどのようなものなのかについて理解しておきましょう。

角層の剥がれ落ちたもの

そもそもフケとは、古くなった皮膚が剥がれ落ちたもののことを指します。特に、頭皮が剥がれ落ちたもののことをフケと呼んでおり、その他の場所の皮膚が剥がれ落ちたものとは区別しています。

皮膚は何層かに分けることができますが、もっとも表面にある層のことを角層と呼んでおり、その角層が剥がれ落ちたもののことを角質と呼んでいるのです。

通常はかゆみや痛みは生じない

角質は皮膚の新陳代謝によって自然と剥がれ落ちていくものなので、皮膚が剥がれ落ちたからと言って特に痛みをともなうようなことも、かゆみを生じるようなこともないのが通常です。

そういった意味でいうと、フケとは誰にでも見られる自然現象であると言えます。では、なぜフケが目立つ人と目立たない人がいるのでしょうか。

フケが目立つ人の特徴

それでは次に、フケが目立ってしまう人の特徴について見ていきたいと思います。フケには大きく分けると3つのタイプがあるようです。

頭皮の乾燥している人

フケが目立ってしまう人の1つ目のタイプは、頭皮が乾燥しているケースです。この場合に見られるフケは、パラパラと乾燥しているという特徴があります。

頭皮が乾燥することによって頭皮へのダメージを受けやすくなるため、かゆみが生じて頭を掻いてしまうことで、さらにフケの量が増えるといった現象が見られます。

頭皮の脂ぎっている人

頭皮が脂ぎっている人も、フケが出やすいといわれています。この場合のフケはベタベタとしたタイプのフケで、衣服の襟元だけでなく髪の毛にも付着しているという特徴があります。

ヘアワックスなどの整髪料を使っている訳でもないのにフケが目立つような人の場合、頭皮が脂ぎっているタイプのフケであるということが考えられます。

また、頭を洗わずに不潔にしていることも、頭皮が脂ぎってフケが目立つ原因となります。イメージ的にも、ベタベタとしたフケが目立つ人は不潔な印象をもたれるのではないでしょうか。

複合タイプの人

皮脂のバランスというのは微妙にコントロールされており、乾燥と湿潤は表裏一体となっています。皮脂というと悪者のように扱われがちですが、実は皮膚に潤いを与えるといった大事な働きもあるのです。

そのため、極度に皮膚が乾燥した場合、頭皮から皮脂を分泌することによって肌を守ろうとする訳です。

例えば、市販の洗浄力の強いシャンプーで頭皮を洗浄した場合、皮脂が失われ過ぎることとなります。その場合、人によってはかえって皮脂を大量に分泌することで、脂ぎった肌になる可能性があるのです。

このように、乾燥と湿潤は表裏一体となっているため、頭皮が乾燥型のフケと脂ぎっているタイプのフケも、単純に分けて考えることは出来ないのです。

フケが出る原因

ひとことでフケと言っても、いろんなタイプのフケがあることを理解して頂けたことと思います。それでは、フケが目立ってしまう原因としては、どのようなことが考えられるのでしょうか。

老化

実は、老化によってフケが増えることが分かっています。なぜかというと、老化にともなって皮脂の分泌量が低下するためです。

女性の場合は30代の半ばをピークに皮脂の分泌量が低下していくため、中年期以降は乾いたタイプのフケが目立ちやすくなるということです。

男性の場合は60代まで皮脂の分泌量が衰えることがないため、女性に比べると男性の方がベタベタしたタイプのフケが目立ちやすい訳なのです。

季節

季節によっても、フケの出やすい時期とそうでない時期があります。単純に空気の乾燥している冬場には乾いたタイプのフケが出やすく、湿度の高い夏場にはベタベタとしたタイプのフケが目立ち安くなる訳です。

また、季節の変わり目には自律神経のバランスが崩れやすくなります。特に、冬から春に変わる時期と、夏から秋へと変わる時期には自律神経のバランスが乱れやすくなるといわれています。

自律神経とは文字通り、自ら律する神経のことを言い、私たちが特に意識していなくても身体の機能を正常の保つために働いてくれています。

自律神経は交感神経と副交感神経から成っており、それぞれ車のアクセルとブレーキに例えられます。夏場には活動的になるのでアクセルを踏み(交感神経が優位になり)、冬場には活動量が低下するのでブレーキを踏む(副交感神経が優位になる)という訳です。

ところが、自律神経の切り替えが苦手な人の場合、春になるとアクセルを踏み過ぎたり、秋になるとブレーキをかけ過ぎたりすることがあるのです。

春になると花粉症の人が増えるのは、アクセルの踏みすぎが原因の一つと考えられています。また、秋がメランコリーな季節といわれるのも、ブレーキをかけ過ぎるからだと考えられているのです。

自律神経は体温調節や食べたものの消化・吸収、血液の循環、細胞分裂など、私たちの体内で起こる現象の全てに関わっています。当然、肌の新陳代謝をも司っているのです。

肌の新陳代謝のことを特に「ターンオーバー」などと呼んだりしますが、自律神経のバランスが乱れるとこのターンオーバーにも異変が生じ、結果としてフケの量が増えてしまうこととなる訳です。

かゆみをともなうフケの原因とは?

ここまでフケのタイプやフケが出る原因について見てきましたが、次に今回のテーマでもあるかゆみをともなうフケの原因について解説していきたいと思います。どのような原因でかゆみをともなうフケが生じるのでしょうか。

頭皮の洗いすぎ

意外な理由に思われるかもしれませんが、頭皮の洗い過ぎがかゆみをともなうフケの原因となることがあるのです。特に、化学的に製造されたシャンプーで頭を洗いすぎると、そのようなことが起こりやすくなります。

一般的に販売されているシャンプーには、たくさんの化学物質が含まれています。それによって洗浄力を高める訳ですが、そのようなシャンプーは頭皮にとって必要な皮脂まで奪ってしまうことがよくあります。

皮脂を奪われた頭皮は乾燥してしまうため、カサカサしたタイプのフケが出やすくなります。また、頭皮によるガードがなくなってしまうため、外部からの刺激を受けやすくなり、それによって肌に炎症を起こしてかゆみが生じる結果となるのです。

脂漏性皮膚炎

かゆみをともなうフケの原因としては、脂漏性皮膚炎という肌のトラブルもあげられています。特に、脂ぎっているタイプのフケが出ている人によく見られる疾患だといわれています。

頭皮にはマラセチアという真菌(カビ)の一種が存在しています。カビというと驚かれるかもしれませんが、人間の身体には常に数種類の常在菌が存在しているのです。

常在菌はその他の細菌と微妙なバランスを保ってすみ分けているので、身体の状態が正常であれば特に悪さをすることはありません。ところが、身体の状態が異常になったり、免疫力が低下したりすると、常在菌が悪さをすることがあるのです。

マラセチアの場合、皮脂の分泌量が増加すると、悪さをし始めることがあるということです。なぜなら、皮脂はマラセチアにとっての「エサ」であるからです。

脂漏性皮膚炎は必ずしも頭皮にだけ見られるという訳ではなくて、顔面の中でも鼻の両脇や耳の裏、こめかみや眉毛に見られることがあります。また、胸部や背中、脇の下に見られることもあるということです。

ストレス

ストレスもフケが増えてしまう要因の一つに数えられています。ストレス状態というのは、自律神経のバランスが乱れた状態のことを言います。

ストレス状態が続いているときには、自律神経の内の交感神経が優位になります。交感神経が優位な状態というのは、車で例えるとアクセルと踏んでいる状態のことを言います。

交感神経が優位になると、血管が収縮して発汗しやすくなります。運動をすると汗をかくのは、体温を調節するために、交感神経が優位になるからなのです。

汗をかくと単純に頭皮が湿った状態になるので、ベタベタとしたタイプのフケが出やすくなります。また、血管が収縮すると血液の循環が悪くなってしまいます。

血液は全身に酸素と栄養を運んでおり、血行が悪くなった場所は栄養状態が低下してしまうのです。頭皮の栄養状態が低下すれば、新陳代謝に異常をきたし、結果としてフケやかゆみが出やすくなるのです。

なんらかの疾患

フケにともなってかゆみが生じている場合、もしかしたらなんらかの疾患に罹っている可能性があります。代表的な疾患としては、頭ジラミや接触性皮膚炎、尋常性乾癬などがあげられます。

頭ジラミは頭皮に寄生する吸血性の昆虫で、プールや大浴場などに頭ジラミをもっている人がいた場合、感染してしまう可能性があります。

接触性皮膚炎は、なんらかの物質に触れることによってかゆみが生じてしまう疾患のことで、洗浄力の強いシャンプーなどもその原因の一つとなり得るということです。

尋常性乾癬は、乾癬全体の90%を占めるといわれますが、その原因についてはまだハッキリとしたことが分かっていません。また、尋常性乾癬は再発を繰り返すといった特徴があります。

アレルギー

アレルギーによって頭皮のかゆみを生じたり、フケが出やすくなったりすることがあります。代表的なアレルギーとしてはアトピー性皮膚炎があげられます。

アトピー性皮膚炎の原因としては、遺伝的要因や環境的要因、ストレスによる自律神経のバランスの乱れなど、さまざまなことがあげられています。

かゆみをともなうフケへの対処法

かゆみをともなうフケにもさまざまな原因がありますが、それではかゆみをともなうフケにはどのように対処すればよいのでしょうか。

病院を受診する

フケが出ているときに、頭皮に耐えがたいほどのかゆみをともなうような場合は、まず病院を受診するようにしましょう。フケやかゆみの出る原因はさまざまなので、まずはその原因を突き止めることが重要です。

フケやかゆみが出ているときには、感染症やアレルギーの可能性もあるので、自己判断で対処してかえって悪化することがないように気をつけましょう。フケや頭皮のかゆみで病院を受診する際には、皮膚科を選択するとよいでしょう。

洗髪習慣の見直しをおこなう

シャンプーやコンディショナーをする際には、しっかりと洗い流せているかを確認するようにしましょう。洗剤が頭皮に残ってしまうと、それが原因でかぶれてしまったり、結果としてフケが生じたりします。

また、一般的に販売されているシャンプーには、洗浄力を高めるために化学的な成分が多く配合されています。肌がデリケートな人の場合、それによってかゆみやフケが出てしまうことがあるので、そのような人は天然由来の成分から製造されているシャンプーを選択するとよいでしょう。

普段から血行をよくしておく

頭皮の新陳代謝を正常のサイクルにするためには、頭皮への血行をよくすることが重要です。血行が悪くなった場所は栄養状態が低下してしまうので、普段からおふろにゆっくりと使ったり、身体を冷やさないように心がけましょう。

また、日常生活のルーティンの中で積極的に身体を動かすようにしましょう。普段エスカレーターを使っている場所で階段を使うようにしたり、一駅前で降りて歩いて帰るなど工夫するとよいでしょう。

適度に身体を動かすと血行がよくなることはもちろんですが、ストレスの解消にもつながります。さらに、睡眠の質を高めてくれる効果もあるので、できる範囲で身体をなるべく動かしましょう。

フケは身体からのサインです!

フケには乾いたタイプのフケと、ベタベタしたタイプのフケとがありますが、いずれも頭皮の皮脂バランスが乱れることによって起こります。

「最近フケが目立つようになったな」というような場合、生活習慣や洗髪習慣を見直してみましょう。それでも改善がみられないようであれば、一度お医者さんに診てもらうようにしましょう。

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