フケの原因はなに?冬と夏では対処法が違うの?

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

冬になるとフケが目立ってしまうという方、いらっしゃいますよね。なぜ冬になるとフケが目立つようになってしまうのでしょうか。また、冬場に見られるフケと夏場に見られるフケとでは、何か異なる点があるのでしょうか。

今回の記事では、フケの原因に迫ることによって、冬と夏のフケとの違いについて理解し、効果的な対処ができるように解説していきたいと思います。

フケってなんですか?

フケの原因や、冬に見られるフケと夏に見られるフケとの違いなどについて解説する前に、まずはそもそもフケとはどのようなものなのかについて知っておきましょう。

皮膚の剥がれおちたもの

フケは簡単に言うと、皮膚がはがれおちたもののことを言います。人間の皮膚は何層かに分かれており、そのもっとも表面にあたる部分のことを表皮と呼んでいます。表皮もさらにいくつかの層に分かれているのですが、もっとも表面にある表皮の層のことを「角層」と呼んでいます。

よく化粧品のコマーシャルなどで「角質ケア」などという言葉を耳にしますが、角質とは角層へと押し上げられた皮膚が寿命を終えた物のことを言います。そのため、角質をはがしても痛みがないのです。

皮膚であれば全身どの部分であっても角質が自然と剥がれおちていくのですが、特に頭皮の皮膚が剥がれ落ちたもののことをフケと呼んで、その他の場所の皮膚と区別している訳なのです。

正常な状態下におけるフケ

人間の体には60兆もの細胞があるとされており、細胞分裂を繰り返しています。その働きのことを新陳代謝と言いますが、特に肌で起こる新陳代謝のことをターンオーバーと呼んだりします。

新陳代謝とは古いものが新しいものにとって代わることを言いますが、肌も周期的に生まれ変わっているのです。皮膚のターンオーバーは、皮膚の層によって生まれ変わる周期が異なっているということです。

先ほど皮膚のもっとも表面にあたる部分のことを角層と呼んでいると言いましたが、角層の下には顆粒層と呼ばれる層があり、そのさらに下に有棘層と呼ばれる層があります。そして、最下層に基底層と呼ばれる層があるのです。

皮膚は基底層で作られて、徐々に上の層へと押し上げられていきます。最終的に角層にまで至ったものが表皮となり、新陳代謝によって剥がれおちていくわけなのです。

肌のターンオーバーの周期についてはいくつかの説があるのですが、基底層から顆粒層に至るまでが2週間から6週間程度、さらに角層に至って剥がれおちていくまで2週間程度というのが目安となっているようです。

ただ、身体のどの場所の皮膚科によってもターンオーバーの周期は異なっており、顔や頭皮などと比べると、手足のターンオーバーの周期は長くなっているようです。

理由としては、手足などの末端部は心臓から遠いため、血液の循環が悪くなりやすいことがあげられています。血液は全身に酸素と栄養を運んでいるので、血液の循環が悪い場所は栄養状態が低下することとなるのです。

栄養状態が低下した場所では細胞分裂が遅くなることとなるため、ターンオーバーにかかる時間も長くなってしまうという訳なのです。また、年齢を重ねるごとに新陳代謝機能が低下するため、ターンオーバーにも時間がかかることとなります。

ターンオーバーはおおよそ4週間から8週間かけておこるものであり、それによって剥がれおちた角質が、健康な状態下における正常な状態のフケと言えます。

フケ症によるフケ

正常な状態下におけるフケに対して、フケ症といわれる病的なフケもあります。病気などというと大げさに思われるかもしれませんが、フケ症が進行してしまうと脱毛の原因となることもあり、決して侮ってはいけません。

フケ症のフケが出ているときの特徴は、頭皮に炎症を起こしていたり、かゆみをともなったりするということです。そして、フケ症には大きく分けると2つのタイプがあります。それは、乾性のフケと湿性のフケです。

乾性のフケはその名の通り、乾いたタイプのフケで、パラパラ落ちるという特徴があります。一方、湿性のフケは油分を多く含んでおり、ベタベタとしているという特徴があります。

一般的に冬場には空気が乾燥しているので乾性のフケがみられることが多く、夏場には皮脂の分泌量が増えることによって湿性のフケがみられることが多いようですが、事はそれほど単純ではないようです。

冬場に見られるフケ症の特徴

フケには乾性のフケと湿性のフケの2種類があるということですが、では冬場にはどのようなフケがみられるのでしょうか。冬は乾燥しているから乾性のフケが出るように思われるかも知れませんが、そうとも限らないようです。

乾性のフケが出やすくなる

冬場には空気が乾燥しているため、頭皮も乾燥しやすくなります。そのため、冬になるとパラパラしたタイプのフケがみられることが多くなります。

一般的に、頭皮にとって快適な湿度は60%程度とされていますが、冬場になると湿度が50%を下回ることも珍しくありません。そのため、もともと乾燥肌の人の場合、乾性のフケが出やすくなってしまうのです。

また、暖房によって部屋の空気が乾燥してしまうことも乾性のフケが増える要因となります。暖房を入れている部屋の湿度は40%を下回ることもあります。やはり頭皮環境にとってはよくないということができます。

あと、冬になると単純に寒いので、血液の循環が悪くなるということも頭皮環境の悪化の原因となります。血行が悪くなれば肌の栄養状態が低下することとなるため、ターンオーバーにも悪影響を与えてしまいます。

肌のタイプによっては湿性のフケが出ることもある

冬場は乾燥しているから乾性のフケと考えるのは、いささか単純に過ぎるといえます。人間はひとりひとり肌のタイプが異なっています。人によっては、冬の乾燥に抵抗するため、かえって皮脂を多く分泌するようなケースもあります。

その場合、冬場であっても顔がてかっていたり、ニキビができやすかったり、湿性のフケが出やすくなったりすることがあるのです。冬で乾燥しているから保湿するというのは、乾燥肌の人がおこなうべきことであり、脂性肌の人は異なった対処をする必要があるのです。

夏場に見られるフケ症の特徴

それでは次に、夏場に見られるフケ症の特徴について見ていきたいと思います。夏は湿度が高いから湿性のフケ、とは限らないようです。

湿性のフケが出やすくなる

冬とは反対に、夏場は湿度が高くなることから、湿ったタイプのフケが出やすくなります。夏になると気温の上昇にともなって、皮脂も多く分泌されることとなります。そのため、皮脂とフケとがくっついてベタベタしたタイプのフケがでることとなるのです。

日焼けによるフケが出ることもある

夏場は紫外線が強くなるため、頭皮も日焼けしてしまいます。顔や手足には日焼け止めを塗ることがあっても、頭皮に日焼け止めを塗るわけにはいきませんし、皮脂があるため余計に日焼けしやすくなってしまいます。

メラニン色素が少ない人の場合、皮膚が黒くならずに赤くなって、そのうちに皮膚がはがれおちていくこととなりますが、頭皮が日焼けすると同じことが起こるわけです。結果、剥がれ落ちた頭皮がフケとなって現れることとなるのです。

頭の洗いすぎによるフケが出ることもある

夏場は汗をたくさんかくため、1日に複数回シャワーを浴びることもあると思います。そのたびに頭を洗ってしまうと、頭皮にとって必要な量の皮脂を奪ってしまう可能性があります。

皮脂は頭皮に潤いを与える働きもあるため、皮脂量が少なくなってしまうのも問題なのです。皮脂量が低下すれば乾性のフケが出やすくなりますし、また、皮脂量の低下を補うためかえって皮脂の分泌量が増えてしまうと、湿性のフケが増えることとなるのです。

反対に、頭を洗う回数が少なかったり、夜に頭を洗わずに寝たりすることにも問題があります。頭皮を洗浄せずに寝てしまうと、皮脂の量が多い状態が続くため、やはり湿性のフケが出やすくなってしまいます。

その他のフケの原因

冬場になると空気が乾燥してくるため、一般的には乾性のフケが増えると考えられています。ただ、その他の原因でフケが増えることもあります。では、どのような原因があるのでしょうか。

食習慣

人間の身体は食べ物でできているので、食習慣によってフケが出やすくなることがあります。フケが出やすくなる食習慣としては、脂っこい物の食べすぎがあげられています。

揚げ物などをたくさん食べると、皮脂の分泌量の増えることが分かっているそうです。また、炭水化物や甘い食べ物の過剰摂取も皮脂量の分泌につながるということです。

ストレス

ストレスは万病の元などといわれますが、ストレス状態が続くと頭皮環境にも悪影響を与えてしまいます。人間の身体には自律神経というものがあり、私たちの生命活動を支えてくれています。

たとえば、「5秒間だけでいいから、心臓を止めてみて」といわれてもできませんよね。なぜなら、内臓の働きは自律神経によって調整されているからです。

体温調節や新陳代謝も自律神経が司っているのですが、ストレス状態が継続してしまうと、自律神経の働きに異常が生じてしまうのです。その結果、さまざまな不調を生むこととなるのです。

不調が頭皮に出た場合、皮脂の分泌量に異常が生じたり、ターンオーバーの周期に異常が生じたりすることとなり、結果としてフケが増えてしまうこととなるのです。

洗髪習慣

先ほど、髪の毛を洗いすぎたり、寝る前に洗髪しなかったりすることが、フケの増えることにつながると述べました。その他にも、爪を立てて頭皮をごしごしこするような洗い方をすることも、頭皮を傷つけてフケを増やしてしまうことにつながります。

また、男性の場合、髪の毛を洗ったあとドライヤーを使わずに自然乾燥させている人も多いと思います。ただ、頭皮が湿った状態が長く続くと、細菌繁殖の温床となり、かゆみや炎症を起こしてフケの量が増えることにつながる可能性もあります。

あと、市販のシャンプーには洗浄力を高めるための化学的な成分が含まれていることが多く、それによって頭皮にダメージを与え、やはりフケの量が増えてしまうこともあるということです。

冬場のフケへの対処法

フケが出る原因は実にさまざまですが、特に冬場はどのようなことに注意をすればよいのでしょうか。以下にいくつかの注意点をあげておきます。

乾燥に気をつける

冬場であっても湿性のフケがみられることはありますが、やはり乾燥する季節である冬場は、乾性のフケが増える可能性が高くなります。そのため、加湿器を用いて部屋の湿度を一定に保つようにしましょう。また、外出の際には帽子をかぶるなどして、頭皮が乾燥しないように心がけましょう。

身体を温める

冬場は寒いので血行が悪くなりがちです。血行が悪くなると栄養状態が低下することとなり、頭皮にとっても悪影響を与えてしまいます。そのため、夜はしっかりと湯船につかって身体を温めるようにしましょう。

また、血行を促進するためには適度に身体を動かすことも重要です。特に、冷え症やむくみのある女性の場合、下肢の筋力が低下している可能性があります。

下肢の筋肉は血液を心臓へと送り返す重要な働きをしています。そのため、よく歩いたり階段を昇ったりして、ふくらはぎの筋肉を刺激するように心がけましょう。

夏場のフケへの対処法

次に、夏場のフケを予防するための対処法について紹介したいと思います。皮脂のコントロールは難しいので、その他のフケの要因を除くことが重要です。

清潔を保つ

フケ症が進行してしまうと、脂漏性皮膚炎になってしまう可能性があります。脂漏性皮膚炎の原因はマラセチアという真菌(カビ)が原因だと考えられていますが、マラセチアにとって皮脂は餌となるのです。

そのため、頭皮の状態を清潔にしておき、マラセチアの繁殖を予防することが重要となるのです。そのためにも、朝シャンではなく、頭を洗うのは夜にしましょう。

日焼けに注意する

夏場になると紫外線が強くなるため、頭皮の日焼けに注意する必要があります。頭皮に日焼け止めを塗るわけにもいかないので、帽子をかぶるなど工夫しましょう。

ただし、通気性の悪い帽子をかぶってしまうと頭皮が湿った状態になり、細菌が繁殖しやすくなってしまいます。そのため、むぎわら帽子のような通気性のよい帽子をかぶり、涼しいところでは帽子を脱ぐなど工夫するようにしましょう。

フケには原因に応じた対処をしよう!

フケの出方は冬と夏で異なることもあれば、肌質によって異なることもあります。まずは、自分のフケがどのタイプのフケなのか、また、何が原因で出ているのかを知ることが重要です。

素人判断で対処するとかえって悪化してしまう可能性もあるので、まずは皮膚科で診てもらうようにするとよいでしょう。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る