フケが出る原因とその対処法!シャンプー選びも重要です!

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黒いスーツの襟脚にフケが付いていたりすると、周囲の人に対して不愉快な印象を与えてしまいますよね。そんな厄介もののフケですが、そもそもなぜ出てしまうのでしょうか。

また、フケが出ないようにするためにはどのような工夫が必要なのでしょう。フケの原因と対処法について解説するとともに、シャンプーの選び方も紹介したいと思います。

フケってなんですか?

フケが出てしまう原因について解説する前に、そもそもフケとは医学上どのようなものであるのかついて知っておきましょう。それによって対処法がよりわかりやすくなると思いますよ。

角質層が剥がれ落ちたもの

フケは簡単に言うと、皮膚の新陳代謝によって剥がれ落ちた古い皮膚のことをいいます。ひとことで皮膚と言っても、実際は何層かに分かれています。もっとも体表に近い方から、表皮、真皮、皮下組織となっています。

さらに、表皮は表面に近い方から角層、顆粒層、有棘層、そして基底層に分かれています。表皮は基底層が細胞分裂することによって徐々に表面へと押しあげられていき、角層となって積み重なっていきます。

その内に古くなった角質が垢となって剥がれ落ちていく訳です。つまり、フケとは誰にでも見られるごくありふれた新陳代謝にともなう産物と言えるのです。

目立ってしまうフケ

フケは誰にでも見られるものとは言いながら、やはりフケが目立ってしまう人もいればそうでない人もいます。では、そのような差はなぜ生じてしまうのでしょうか。

その違いとしては、フケが単に新陳代謝によって発生しているのか、それともなんらかの理由によって、皮膚に異常が生じることによってフケが発生しているのかがあげられています。

フケ症になってしまう原因

なんらかの原因によってフケが目立ってしまうような人のことを、「フケ症」と呼んで通常の新陳代謝によって生じるフケと差別化することがあります。では、なぜフケ症になってしまうのでしょうか。

ホルモンバランスの乱れ

男性に見られるフケ症の原因としては、男性ホルモンのバランスが乱れていることがその要因としてあげられています。

男性ホルモンであるテストステロンが、より強力な男性ホルモンであるジヒドロテストステロンへと変化するのが、男性型脱毛症の原因とされていますが、実は男性ホルモンはフケ症とも関与していることが分かってきています。

なぜなら、男性ホルモンは皮脂の分泌とも大きく関わっているからです。男性ホルモンが旺盛になることによって皮脂の分泌が盛んになると、後述する脂漏性皮膚炎になりやすく、それによってフケが目立つこととなるのです。

皮膚の常在菌

最近になって、フケ症になる原因として皮膚の常在菌が関わっているのではないかという説が有力になってきています。皮膚には何種類もの常在菌が存在していますが、その内のマラセチアという真菌(カビ)の一種がフケ症の原因となるのではないかと考えられています。

マラセチアは皮脂を栄養源にしているため、皮脂の分泌量が多い人はマラセチアが大量に発生してしまい、それによって脂漏性皮膚炎を発症するとされています。

皮脂は毛穴から分泌されて皮膚の表面へと送られますが、皮膚や毛髪のうるおいを保つという重要な働きがあります。ところが、皮脂の量が増え過ぎてしまうと、脂漏性皮膚炎になるリスクが高くなってしまうのです。

脂漏性皮膚炎は頭皮だけでなく、鼻の両脇や耳の後ろ、脇の下や胸などにも起こりえます。脂漏性皮膚になった場所には炎症やかゆみが起こり、結果としてフケが発生しやすくなるのです。

皮膚の乾燥

脂漏性皮膚に見られる皮脂の過剰な分泌によるフケ症とは反対に、皮膚が乾燥することによってフケが出やすくなることもあります。

頭皮が乾燥するとちょっとした刺激によって傷などが付きやすくなり、それが炎症を起こしてフケ症となってしまうことがあります。

また、極度に乾燥状態が続くと、肌を守ろうと皮脂の分泌が活発になることがあります。皮脂は分泌され過ぎてもダメ、不足し過ぎてもダメということですね。

食習慣

人間の身体は食べ物によってできています。当然、皮膚や髪の毛の状態も、食べるものによって左右されることとなります。

日本人の食生活は、高度経済成長期以降、欧米化が進んだとされます。それによって、カロリーの高い食べ物や脂っこい食べ物が好まれるようになったのです。特に、脂っこい食べ物は脂漏性皮膚になるリスクを高めるとされています。

また、百薬の長などといわれるお酒(アルコール)も摂りすぎてしまうと身体に負担を与えることとなり、結果としてフケ症になるリスクを高めるとされています。

ストレス

ストレスは万病の元などといわれますが、フケ症にとっても避けたいものの一つです。ストレスが蓄積してくると、人間は交感神経が優位な状態になります。

交感神経は自律神経の一種で、副交感神経とのバランスによって私たちの生命活動を律しています。交感神経と副交感神経との関係は、車のアクセルとブレーキとの関係によく例えられます。

日中、活動的になるときにはアクセルを踏んで(交感神経が優位になり)、夜になって身体を休めるときにはブレーキを踏む(副交感神経が優位になる)という訳なのです。

ところが、ストレス状態が継続してしまうと、夜になっても交感神経が優位な状態が続いてしまいます。そうなると、寝ている間にも身体が休まらず、疲労の回復や細胞分裂が妨げられることとなります。

睡眠不足

睡眠中は身体を休めるだけでなく、食べたものの消化や吸収を促進したり、細胞分裂が起こることによって疲労を回復させたり、新陳代謝が活発になったりする大事な時間帯です。

特に、夜中の10時から明けて2時までの間は、成長ホルモンが分泌するゴールデンタイムなどと呼ばれることがあり、その時間帯に睡眠をとることが重要とされています。

成長ホルモンというと成長期に分泌されるホルモンのようなイメージがありますが、実は、成長ホルモンは私たちの生命活動が終わりを迎えるまで分泌され続けるホルモンであることが分かっています。

そのため、睡眠時間が不足してしまったり、睡眠の質が低下したりしてしまうことによって成長ホルモンの分泌量が低下すると、お肌の新陳代謝にも異常をきたしてしまう結果となり、フケ症になるリスクが上昇するのです。

誤ったヘアケア

フケ症になる原因としては、誤ったヘアケアなどもあげられています。自分の肌に合わないシャンプーやリンス、コンディショナーなどを使っていると、フケ症になるリスクが上昇してしまうということです。

髪の毛を洗うときに爪を立ててゴシゴシこすってしまうと、頭皮に傷をつけたり炎症を起こしてしまったりして、フケ症がひどくなる可能性もあります。

シャンプーやリンス、コンディショナーを洗い流す際に、しっかりと洗い流さないと洗剤が頭皮に残ってしまい、それが頭皮の炎症につながってしまうこともあります。

また、夜に頭を洗わずに寝てしまうこともフケ症や脂漏性皮膚の原因となってしまいます。夜寝る前に頭皮を清潔にしておかないと、朝起きたときに髪の毛や頭皮がベタベタすることからも明らかだと思います。

さらに、ドライヤーの使い方も重要です。男性の場合ドライヤーを使わずに自然乾燥させることも多いと思いますが、湿った状態が長く続くと、皮膚の雑菌が繁殖するリスクが高くなってしまいます。

反対に、ドライヤーを使うときに、あまりにも高い温度で髪の毛や頭皮を乾かしてしまうことも問題です。頭皮が乾燥しすぎると、かえって皮脂の分泌が活発になってしまい、結果としてフケ症や脂漏性皮膚になるリスクが高くなってしまいます。

フケ症の対処法や予防法

フケ症になってしまう原因は実にさまざまであることが分かって頂けたことと思います。それでは、フケ症になってしまった場合、どのように対処すればよいのでしょうか。また、フケ症にならないためにはどのような予防法があるのでしょう。

病院を受診する

フケ症になってしまった場合や、あまりにもフケの量が多くて気になる場合、まずは病院(皮膚科)に行って診てもらうようにしましょう。原因が分からなければ、正しい対処が出来ません。

食習慣を改善する

フケ症になってしまう人の食事を見ていると、ビタミンBや亜鉛の摂取量が不足している傾向があるということです。ビタミンBは、私たちが生きていくためのエネルギーを作ってくれる大事な働きがあります。

また、亜鉛には脂漏性皮膚の原因となるマラセチアの増殖を抑えてくれる働きがあることが分かっています。

ビタミンBを多く含む食品としては、カツオやマグロ、サンマやウナギなどの魚類、牛肉や豚肉、鶏肉のレバー、ほうれん草やナッツ類、アサリやカキなどの貝類があります。

亜鉛を多く含む食品としてはカキや煮干し、するめなどの魚介類、赤身のお肉やレバー、チーズや卵、豚肉や鶏肉などがあります。

普段からそのような食品をバランスよく摂るようにし、どうしても不足してしまう分はサプリメントなどの栄養補助食品を利用するとよいでしょう。

ストレスをため込まない

ストレスは万病の元といわれるように、ため込みすぎると身体的、精神的負担が増してしまいます。そのため、ストレスは適度に解消するよう心がけましょう。

ストレスの解消法を人それぞれですが、一つの方法としては身体を動かすということがあげられます。運動をして身体が疲れれば、単純に睡眠の質が高まることとなります。

また、適度に身体を動かすことによって血行が改善されます。血液は全身に栄養と酸素を運んでいるので、血行がよくなった場所には栄養状態の改善が見られることとなります。

頭皮の栄養状態が改善すれば、湿疹やかぶれなどの回復が早くなり、フケ症や脂漏性皮膚の改善にもつながることとなる訳です。

また、大きな声を出すというのもストレス解消法としてあげられています。普通の日常を過ごしている場合、あまり大きな声を出すような機会はないことと思います。そのため、たまにはカラオケなどに行って自分の好きな歌を大声で謳うなどするとよいでしょう。

女性の場合は気の合った友人などとおしゃべりの時間を設けるのもよいでしょう。楽しく話してたくさん笑えば、ストレスの解消ができるだけでなく、免疫力の向上にもつながります。

フケ症を改善・予防するためのシャンプーのやり方

それでは最後に、フケ症を改善したり予防したりするためのシャンプーのやり方について紹介して、本稿の締めくくりとしたいと思います。

皮膚が乾燥している人の場合

頭皮が乾燥してフケ症になってしまっている人の場合、もっとも重要となるのが頭皮を守ってくれる皮脂を落としすぎないということです。

フケが気になるからと言ってせっせとシャンプーをおこなうと、かえって皮脂を失ってしまい、フケ症が悪化してしまう可能性があります。

そのため、頭皮が乾燥している人の場合、洗髪時間をなるべく短くすることが重要となります。あと、熱いお湯は避けるようにして過度のマッサージもおこなわないように心がけましょう。

あと、髪の毛を拭くときにもゴシゴシと強い力で擦るようなことは避け、優しく吹くようにしましょう。その上で、乾かしすぎない程度にドライヤーをかけるようにしましょう。

皮脂の分泌が多い人の場合

皮脂の分泌が多くてフケ症になっているような人の場合は、原因となるマラセチアを殺菌することが重要となります。そのため、抗真菌タイプのシャンプーを使うようにしましょう。

また、フケにともなって頭皮の炎症やかゆみがあるような場合は、フケ対策用の薬用シャンプーを利用するとよいでしょう。

フケ予防のためのシャンプーの選び方

フケ症を予防するためには、なるべく天然由来の成分を用いたシャンプーを普段から使うようにしましょう。一般的に販売されているシャンプーには、化学的成分が多く含まれています。

そのため、フケ症を予防したい人や、フケ症が治ったという人は、髪の毛や地肌に優しい天然由来の成分を配合した商品を選択するとよいでしょう。

フケ症の対策はまず原因を知ることから!

フケ症の原因と対処法について紹介してきましたが、いかがだったでしょうか。一口にフケと言っても、実にさまざまな原因があることを理解して頂けたことと思います。

まずは病院を受診して、自分のフケの原因を知りましょう。その上で、効果的に対処するようにしてくださいね。

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