あなたの抜け毛の状態は?抜け毛のチェック4つのポイント

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髪の毛が抜けた時に「これは放っておいても大丈夫な抜け毛なのだろうか、それとも何らかの抜け毛対策を取らなければいけない薄毛なのだろうか」と悩んだ経験はありませんか?

正常な頭皮の人でも毎日髪の毛は抜けます。その中で、今抜けた髪の毛がAGA(男性型脱毛症)によって抜けたのかどうかをチェックするのは、重要です。なぜなら、薄毛は進行してからでは治療が困難になるからです。

実は、ふとした時の抜け毛の状態を見るだけで、その抜け毛が正常なものなのか、異常なものなのか、ある程度の判断はつくのです。今回の記事の内容を頭に入れて頂いた上で、抜け毛の状態に注意していけば、初期のAGAにも対処をすることが可能になります。

初期のAGAであれば、まわりの人も髪の毛が薄くなってきていることに気付かない可能性が高いので、「ハゲ」という状態に一度もなることなく、予防だけでフサフサの人生を送ることができるかもしれません。

将来の薄毛を未然に防ぐための抜け毛の毛根チェックの方法をお伝えしていきます。

1.なぜ抜け毛の毛根をチェックすることが重要なのか

髪の毛は、それ自体は角化しており神経の通っていない「死んだ細胞」です。そのため、自己修復能力はありませんし、感覚器官もありません。そのため、「髪の毛が生えてきた時点での髪の毛のなんらかの情報」は読み取ることができます。

しかし、どう頑張ってもそれ以降の情報は読み取ることができないのです。髪の毛は1日に0.3ミリ~0.4ミリ程度伸びると言われています。つまり、1カ月で1cm~1.2cm伸びるということです。抜け毛から読み取ることができる情報は、毛根から毛先に行くに従って、1cmにつき1カ月ずつ古くなっていくのです。12cmの髪の毛の毛先部分に残された情報は、1年前のその人の情報ということになるのです。

そういった意味で、「最新の情報」は最も髪の毛の中で根本に近い部分、つまり毛根に存在するのです。さらに言えば、髪の毛は死んだ細胞であるとお伝えしましたが、毛根の細胞は生きています。毛根には、毛母細胞と呼ばれる、細胞分裂を行う細胞があります。毛母細部は増殖して増えると角化し、水分を失って表面にせりあがってきます。これが髪の毛です。

つまり、毛母細胞は、髪の毛の赤ちゃんなのです。さらに、毛根の中ではその毛母細胞に栄養を送り込む役割を果たす毛乳頭細胞など、様々な生きた細胞が髪の毛を作るために、働き続けています。その毛根を良く見れば、現在の自分の髪の毛が正常なのか異常なのかがわかりますよね。

抜け毛には2つの種類がある

抜け毛には、正常な抜け毛と異常な抜け毛があります。正常な抜け毛というのは、ヘアサイクルという髪の毛の成長サイクルに則った流れの中での抜け毛です。この正常な抜け毛は子供でも女性でも起こりますし、それが続いたとしても同じペースで新しい髪の毛が生えてくるのでまったく問題はありません。

問題なのは、そのヘアサイクルの周期から外れた期間で髪の毛が抜けてしまう異常脱毛です。そのほとんどは、本来抜けなければいけない期間にさしかかる前に抜けてしまいます。そのため、新たに生えるスピードが、脱毛のスピードに追いつくことができず、どんどん髪の毛が薄くなってしまうのです。

自然脱毛

自然脱毛は、体毛の生えている生物には必ず訪れる抜け毛です。後述する「ヘアサイクル」の中で、髪の毛がその一生を終えて抜け落ちるタイミングの抜け毛が、自然脱毛です。

髪の毛を人間の一生に例えると、自然脱毛は寿命が来て亡くなる大往生のようなものです。この脱毛が続くようであれば、抜け毛や、男性型脱毛症の心配はほとんどありません。

異常脱毛

異常脱毛は、健康に生活していれば起こるはずのない脱毛です。人間以外の生物では、皮膚が炎症を起こしたり、過度なストレスにさられらてしまった場合などにこの異常脱毛が起こります。要は、自然脱毛以外の抜け毛は、すべて異常脱毛と呼ぶのです。この異常脱毛は、人間の場合その他の動物に比べて発症する確率が非常に高いです。

なぜなら人間にはAGA(男性型脱毛症)があるからです。なぜ人間だけ前頭部や頭頂部の髪の毛が抜けるとかという明確な理由は分かっていませんが、男性の半数以上は一生を終えるまでの間に発症する計算になる男性型脱毛症ですから、少なくとも人間全体の4分の1以上は異常脱毛が起こっているということになります。

さらに、異常脱毛の原因は、AGAだけではありません。「円形脱毛症」や、「炎症性脱毛症」、「外傷性脱毛症」、「栄養不足による脱毛」、「薬剤性脱毛症」、さらには自分で自分の髪の毛を引き抜いてしまうという「抜毛症」など、異常脱毛には本当に様々な種類が存在します。

2.ヘアサイクルとは

これまでの話の中で、何度か「ヘアサイクル」という周期の存在に触れました。抜け毛の状態を観察し、抜け毛対策を考える上で、ヘアサイクルについての知識は知っておいた方がいい物なので、お伝えします。

髪の毛の成長に伴う3つの期間

髪の毛が生えてから抜けるまでの間を、3つの期間に区切ったサイクルを、ヘアサイクルと呼びます。別名を「毛周期」といいます。薄毛の人はこのヘアサイクルの周期が極端に短くなっていきます。通常は6年近くあるこの1サイクルが、3カ月や半年という短さになっているのです。

通常の毛根は40回程度再生されると言われています。これは一つの毛根が細胞分裂のを行える限界の数が決まっているためです。つまり、髪の毛が正常に一生を終えて、1つのサイクルを終えるのに6年間かかっていれば、6×40=240なので、240年間髪の毛が生え続けることになります。

しかし、このサイクルが異常に短くなることによって30歳や40歳の段階で毛根の限界が来てしまうのが、AGAなのです。具体的なヘアサイクルの期間ごとの特徴は下記です。

成長期

成長期は、髪の毛が生まれてから成長を続けている期間です。毛母細胞が分裂を繰り返し、常に髪の毛が作られている状態といえます。3つの期間の中でも、最も期間が長く、2年~6年続きます。健全な状態の頭皮であれば、毛髪全体の90%がこの成長期の髪の毛になります。

退行期

毛母細胞の細胞分裂が衰え、髪の毛の成長がゆるやかになる時期です。毛髪のメラニン色素が作られる色素幹細胞の働きも衰えるため、髪の毛に黒い色をつける能力も衰えます。この期間は2週間程度が一般的で、その後は休止期になります。健全な状態の頭皮であれば、毛髪全体の5%~10%がこの退行期の髪の毛になります。

休止期

毛母細胞の細胞分裂が止まり、髪の毛が伸びない状態が休止期です。休止期の髪の毛は、後は抜け落ちるのを待つだけという状態で、下から新たに生えてくる成長期の髪の毛に押し出されるようにして抜け落ちてしまいます。

休止期の期間は、正常であれば3カ月程度と言われています。退行期と同じく、健全な状態の頭皮であれば、毛髪全体の5%~10%がこの休止期の髪の毛になります。休止期の後の髪の毛は、再び成長期に入ります

しかし、休止期の髪の毛が抜け落ちても、新たに成長期の髪の毛が生えてこない場合もあります。AGAの原因である「ジヒドロテストステロン」という悪玉ホルモンがそのような細胞死を起こす信号を発しているためです。その場合、どのような事があっても、髪の毛の寿命が来なかったとしても毛根は死んでしまうのです。

3.遺伝的に薄毛かどうかを確認

抜けた毛を見れば薄毛に向かっているかどうかが分かるといっても、そんなに毎日抜け毛のチェックばかりしているわけにもいきません。そのため、ある程度「自分はそろそろハゲてしまうのではないか」「そろそろ薄毛の対策を始めておいた方が良いのではないか」という時期を見計らってチェックをしていくのが良いでしょう。

あなたが薄毛になるかどうかは、遺伝によってある程度予測することが可能です。ただし、この遺伝とは、父親からの遺伝というわけではありません。母方の祖父からの遺伝ということになります。なぜなら、薄毛の可能性が高いかどうかの判断をする「薄毛遺伝子」は、X染色体に存在しているためです。

男性の場合、2つの染色体をどのように受け継ぐのかといえば、X染色体は母親から受け継ぎ、Y染色体は父親から受け継ぎます。そのため薄毛の遺伝子母親に存在しているわけですが、母親は女性なので男性型脱毛症が発症するはずがありません。発症しているとしたら、母親にX染色体を受け渡した祖父なのです。

そのため、父親が薄毛なのかどうかは無視して、母方の祖父が薄毛なのかどうかを確認しましょう。もし薄毛だったということが分かったら、親戚に聞いて、何歳ごろから薄毛の症状が発症したのかも確認しておきましょう。それが分かれば、自分も何歳ごろに薄毛の危機が訪れるかというおおよその予測を立てることができます。

しかし、この予測は100%あてになるものではありません。祖父とその孫では栄養状況も、生活環境も大きく違いますので、薄毛になる時期はずれす可能性はあります。とにかく「母方の祖父がハゲていたら、30歳から薄毛を気にして、抜け毛チェックをしておく」という考えでいいと思います。

4.抜け毛の種類

さて、この記事の本題である抜け毛の種類です。抜け毛の毛根を観察すれば、それが自然脱毛による脱毛なのか、異常脱毛による脱毛なのか見分けることが可能です。

自然脱毛の毛根

自然脱毛の毛根は、その種類が1種類しかありません。逆に言えばこの形以外の毛根を持つ抜け毛があった場合、それは異常脱毛という可能性があります。

マッチの先のように毛根が膨らんでいる

毛根が、なだらかなカーブを描きながら丸く膨らんでいる場合は、自然脱毛による抜け毛ですので、問題はありません。通常のヘアサイクルを全うして抜けた髪の毛ですので、2年から6年あなたの頭皮に生え続けていたことになります。これ以外の形の毛根は、異常脱毛が考えられます。

異常脱毛の毛根

自然脱毛と違い、異常脱毛はその種類が様々です。毛根の形によって、考えられる原因が変わりますので、よくチェックしてその原因を見極めましょう。

自然脱毛に比べての膨らみが小さい

これは、異常脱毛と自然脱毛の中間にあたる毛根の形状です。要注意段階の毛根だといえますので、この形の毛根を持った抜け毛が増えてきたら、見た目は薄毛ではなかったとしても、水面下では薄毛の魔の手がそこまで来ているという状態です。

毛根の膨らみが小さいということは、毛母細胞や毛乳頭細胞が活性化していない可能性があります。つまり、髪の毛を作り出す工場としての役割が弱っているということになります。

また、毛根の形が悪いのも要注意です。毛根がきれいな楕円形をしていない場合、毛根の組織が弱ってしまっていることが考えられます。
いずれも男性型脱毛症の初期症状ですので、放置するとある時を境にして一気に薄毛が進行してくる可能性があります。

毛根の膨らみがない

毛根の栄養状態に比例して、毛根は大きくなったり小さくなったりします。毛根に膨らみがないという場合は、その毛根に極端に栄養が届いていない可能性があります。栄養不足の原因は、食生活の偏りと、血行不良の2つの原因が考えられます。

食生活が問題の場合は、たんぱく質を中心として、亜鉛などのミネラル、そしてビタミンB群、ビタミンEなどを積極的に摂取しましょう。血行不良の場合は、日常的な運動不足が考えられますので、日常習慣の中にウォーキング、ランニング、サイクリングなどの有酸素運動を取り入れてみるといいでしょう。通勤の際に1駅分歩いてみるだけでも十分な運動になります。

毛根の膨らみが短い

毛根の膨らんでいる部分が短いという場合は、頭皮が乾燥して固くなっている可能性があります。そのため、頭皮の中に埋まっている部分の深さが足りていないために毛根の膨らみも縦に短くなるのです。

頭皮が乾燥している場合、フケが出たり、かゆみが発生することもあります。かゆみが出た際についつい掻いてしまい、掻いた部分の傷から雑菌が入り込み、炎症を起こしてしまう可能性があるので、できればその頭皮の乾燥は早めに解決したいところです。

乾燥肌の頭皮に向けた化粧水なども販売されていますので、そういった商品を利用するとよいでしょう。また、洗浄力の強いシャンプーは頭皮に必要な水分を奪ってしまいますので、弱酸性のシャンプーを使用すると良いかもしれません。また、シャンプーをする際のお湯はぬるめにしましょう。40度以上の熱いお湯は頭皮に必要な油分を奪ってしまいます。

毛根が黒い色をしている

結構な無根は無色透明です。しかし、抜け毛の毛根の色が黒っぽくなっていることがあります。この場合、原因はストレスである可能性が高いです。ストレスが長期間溜まると、血流が悪くなり、毛根がだんだんと黒い色に変色していきます。

できるだけ早めの対策を取らないと、突然一気に大量の髪の毛が抜け落ちてしまう可能性があります。直接的なヘアケアはもちろん、ストレスを抱え込まないように、気の合う友人と会ってゆっくり話す時間を設けたり、好きな音楽を聴いたり映画を観たり、様々なストレス発散の方法がありますので、自分に合うものを試してみてください。

毛根に白い膜が付いている

毛根を包むように付いている膜は皮脂です。どんな毛根でも、そこから皮脂は分泌されていますので、少量の皮脂は、どんな抜け毛にも付いています。しかし、チェックした際に、目に見えるほどの量の皮脂が付いているというのは大きな問題です。

過剰に皮脂が分泌されているということは、その皮脂を餌にしている「マラセチア菌」という雑菌が、毛根内部で繁殖しやすい状態にあると言えます。毛根内部でマラセチア菌が繁殖すると、そこを中心にして頭皮が炎症を起こしてしまいます。すると、原因となった毛根はもちろん、その他の周辺の髪の毛もダメージを受けて抜け落ちてしまいます。

皮脂を減らすためには、日ごろの食生活で動物性の脂分をできるだけ控えるという、原因となる脂の摂取を止めることが有効です。また、シャンプーを1日に何度もする方は、1日1回のシャンプーにしましょう。なぜなら、1日に複数回のシャンプーを行うと、頭皮の水分がシャンプーによって奪われすぎてしまい、乾燥するので、人体は「頭皮に水分が足りない」と感じ、皮脂を過剰分泌させてしまうのです。

毛根自体が無い

毛根が無いというのは、いくつかの原因が考えられます。ひとつめが切れ毛の場合です。何らかの理由で髪の毛がダメージを受けていて、シャンプーやタオルドライ、ドライヤーなどの刺激がトドメとなって切れてしまう場合があります。この場合は、普段からブラッシングを丁寧にして、毛根ではなく髪の毛自体のケアをしっかりと行えば、防ぐことはできますし、毛根のトラブルではないので、薄毛についての心配は少ないと言えます。

問題は、毛根が弱り切って、消滅してしまっている場合です。頭皮に根を張るための毛根が消えたことで髪の毛が抜けたという事になります。このような抜け毛が1本でも見つかったら赤信号です。他にもそのような状態の髪の毛がないかチェックし、もし複数の髪の毛がこのような状態になっていたら、すぐにAGAクリニックへの通院を考えた方が良いでしょう。でなければ、一気に薄毛が進行してしまう可能性があります。

まとめ

髪の毛が抜けてしまった際に、その毛根の状況を見ることによって、「健全な抜け毛」か「異常な抜け毛」かを見分けることができます。そのため、抜け毛が気になりだしたら、まずはその毛根をチェックしてみましょう。

マッチ棒のような丸みのある毛根であれば問題はありません。しかし、そうではなく、毛根が細かったり、短かったり、黒かったりする場合は、一気に薄毛が進行する可能性があります。そのため、チェックが終わったらすぐに育毛剤の使用や、AGAクリニックへの通院といった、本格的な治療を開始した方がいいかもしれません。

今日ご紹介した抜け毛のチェック方法を参考にしていただき、自分の頭髪の状態を把握し予防や対策にお役立てください。

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