生え際の薄毛の原因は?生え際をフサフサの状態に戻す方法

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世の中の「薄毛」と言われる症状のほとんどは、男性型脱毛症ですが、その男性型脱毛症の症状が最も早く現れるのが生え際、つまりおでこの部分だといわれています。

今回の記事では生え際が薄毛になってしまう原因やその対策の説明。また、女性でも生え際の薄毛が発症するのかという部分について解説していきます。

男性の生え際が薄毛になる原因

生え際の薄毛に関する解決策を考える前に、まずは生え際が薄毛になってしまう原因を考えてみましょう。

薄毛には2つの種類がある

薄毛で悩んでいる人のほとんどは、男性型脱毛症です。そして、その男性型脱毛症は全く同じ原因で2つの種類が存在しています。

1つ目は、おでこから薄くなっていくタイプです。これは今回の記事のテーマでもある生え際の薄毛に深く関わっています。

2つ目は、つむじから薄くなっていくタイプです。日本人は欧米人と比較してこちらのタイプの方が多い傾向があります。

おでこから薄くなるタイプも、つむじから薄くなるタイプも、その原因となるホルモンは同じものです。ただし、つむじの薄毛とおでこの薄毛では、その作用に若干の違いがあるので、その部分がお分かりいただけるように下記で説明していきます。

共通する薄毛の原因、ジヒドロテストステロン

おでこの薄毛も、つむじの薄げも、どちらもジヒドロテストステロンという悪玉ホルモンが原因となって起こる脱毛です。ジヒドロテストステロンは、男性ホルモンと酵素が結合することによって作られる強力な男性ホルモンだと思ってください。

このジヒドロテストステロンは、男性にとってあまり嬉しくない作用ばかりを引き起こします。例えば、前立腺肥大症を発症させたり、ヒゲを濃くしたりといった作用です。

その中の作用のひとつに、頭頂部や前頭部の薄毛というものがあるのです。よく「薄毛は男性ホルモンが原因である」と言われるのはこのためです。ただし、ジヒドロテストステロンという男性ホルモンは、男性の体内から自然に発生し、血液の中を巡っているテストステロンという通常の男性ホルモンとは違います。

そのため、薄毛の原因が男性ホルモンだからといって、男性ホルモンを発生させないようにするというのは間違っています。大切なのは、一般的な男性ホルモンであるテストステロンを、ジヒドロテストステロンに変質させないということです。

生え際の薄毛は2型5αリダクターゼが原因

一般的な男性ホルモンであるテストステロンは、酵素と結びつくことによってジヒドロテストステロンに変質するというお話をしました。そしてこの酵素というのは5αリダクターゼという酵素であり、1型と2型に分けられます。

どちらの5αリダクターゼも、テストステロンと結合することによってジヒドロテストステロンに変わりますが、2型5αリダクターゼの方が、1型5αリダクターゼよりも脱毛させる力が強力であるといわれています。

そして、前頭部の毛根に多く分布しているのが、より強力な方の2型5αリダクターゼになるのです。逆に、頭頂部は1型の5αリダクターゼの方が多く分布しています。つまり、生え際の薄毛を克服しようと思えば、1型ではなく、2型の5αリダクターゼの活動を阻害する必要があるということです。

生活習慣や髪のダメージの影響は?

インターネットなどで薄毛の原因を調べていくと、食生活の偏りであったり、生活習慣であったり、ストレスであったり、カラーリングなどによる髪の毛のダメージであったり、紫外線であったり、皮脂の分泌であったり、様々なものが見つかります。

しかし、それらは男性型脱毛症の原因とは少し違います。

確かに、すべての原因は極端に進行すれば頭髪に影響を及ぼす可能性があります。例えば、毎日の食事でタンパク質を一切摂取しなければ、髪の毛はたんぱく質からできていますので、成長することができなくなります。

睡眠時間が極端に短くなれば、成長ホルモンが分泌されにくくなり髪の毛の成長スピードが遅くなります。皮脂が過剰に分泌されれば、皮脂をエサとする頭皮の常在菌が繁殖し炎症を起こし、その炎症を起こした部分が炎症性の脱毛症発生させる可能性があります。

しかし、それらはいずれも普通ではあり得ないレベルで極端に生活習慣が乱れたりした場合であり、多少し栄養が偏っていたり、多少生活が不規則であるレベルでは、髪の毛の本数にほとんど影響は及ぼしません。生え際の薄毛の原因を考える際に重要になるのは、前述のジヒドロテストステロンと5αリダクターゼがほとんどだと考えてください。

女性にも生え際の薄毛は起こる?

近年は、女性でも薄毛に悩む人が多く、女性用の育毛剤も多く販売されています。では、男性と同様に女性も生え際の薄毛に悩んでいるのでしょうか?

女性に起こる薄毛

女性でも男性型脱毛症に似た症状が発症します。原因は、ホルモンバランスが崩れ男性ホルモンと女性ホルモンの相対的な割合が変化したためです。

しかしこれは、男性のようなM字型やO字型などといった特徴的な薄毛の進行をするわけではなく、全体的に均等に薄くなると言う「びまん性脱毛症」の症状で進行していきます。その他に、女性に起こる可能性がある症状としては、免疫機能の異常によって発症する円形脱毛症や、ポニーテールなどの髪型で髪の毛を引っ張りすぎることによって抜けてしまう牽引性脱毛症、抗がん剤などの薬品を使用した際に発症する脱毛症などです。

これらも、頭髪全体が薄くなるタイプのものや、一箇所だけが集中的に脱毛するタイプのものなので、一般的な男性型脱毛症のような前頭部がM字型に後退したり、頭頂部が薄くなったりという進み方はしません。

女性は、生え際の薄毛にならない!

以上のような理由から、女性は生え際に特化した薄毛にはならないということが言えます。皆さんも思い出してみてください。過去に男性と同じような薄毛の進行の仕方をしている女性と会ったことはありますか?

M字型に髪の毛が薄くなっていたり、頭頂部だけ集中的に髪の毛が薄くなっていたりする女性は、おそらく存在しないはずです。薄毛で悩む女性というのはそのほとんどが髪の毛全体が薄くなり悩んでいます。

もし女性の方で生え際の薄毛に悩んでいる方がいるとすれば、それは全体が薄くなっている中でも鏡を見た時に生え際の薄毛が目立って見えるために、生え際の薄毛で悩んでいるということがほとんどでしょう。

生え際が薄毛になったら髪型はどうすればいい?

生え際が薄くなり悩んでいる場合、その薄毛を直すためには、治療薬を服用したとしても3ヶ月から半年程度の期間が必要になります。それまでの間、生え際の薄毛と付き合っていかなければいけません。そのように考えると、髪型が重要になります。

長髪はNG!潔く短髪に!

薄毛を隠すために髪の毛を伸ばす方がいます。しかし、これはあまりお勧めできません。真正面から鏡を見れば、なんとか隠せているように見えても、横から見ると、薄毛の部分が透けて見えていたり、風が吹いたり雨が降ったりという天候の変化や、ちょっとした運動などによって、髪の毛が乱れて薄毛の部分があらわになってしまう可能性があります。

特に、生え際の薄毛の場合、頭頂部の薄毛と違ってその人の顔を見たときに目立つ位置に薄毛部分がきてしまうので、できれば隠すような髪の伸ばし方はしないようにしましょう。

生え際の薄毛に悩む方におすすめのヘアスタイル

生え際の薄毛に悩んでいる場合、短めのヘアスタイルにした方が良いという事がわかりました。ではどのようなヘアスタイルがおすすめなのでしょうか。

最もおすすめなのは、ベリーショートのツーブロックです。両サイドを3ミリ程度のバリカンでカットし、トップも短くすれば、薄毛の部分が目立たなくなります。ツーブロックの場合、頭部の両側に1本ラインが入る形になりますので、これも薄毛から目をそらしさせてくれる要素になります。

また、もし抵抗がないのであれば、坊主やスキンヘッドなどといったヘアスタイルもおすすめです。

実際、薄毛が進行してきたために隠し切れなくなって坊主にする人も多いようです。坊主だったとしても、おしゃれな人はおしゃれですよね。

生え際の薄毛を改善する方法

ヘアスタイルで生え際の薄毛を目立たないようにしたら、それで終わりではありません。薄毛の進行をストップさせ、逆に新たな髪の毛を増やす取り組みをしなければ、状況は悪くなるばかりです。

内服薬:フィナステリド

生え際の薄毛の進行をストップさせるために、まずしてほしいのはフィナステリドという成分を主成分とした医薬品の内服です。

フィナステリドは、テストステロンと非常によく似た分子構造をしているため、2型5αリダクターゼがテストステロンと勘違いして結合してくれるという特徴があります。そのため、テストステロンが生まれなくなり、脱毛症がストップされます。

外用薬:ミノキシジル

脱毛症をストップさせることができたら、次はミノキシジルが配合された塗り薬を使用しましょう。これは、毛母細胞の細胞分裂を活性化させ、毛包を大きくするという働きがあります。

このフィナステリドの内服とミノキシジルの外用薬という2種類の医薬品の組み合わせは、欧米のAGAクリニックが主流としている。男性型脱毛症の治療方法です。

通院:AGAクリニック

少しでも早く生え際の薄毛を治したいのであれば、AGAクリニックに通院するという方法があります。医師免許を持った専門の医師に頭皮の状況を見てもらい、適切な使用方法のアドバイスをしてもらうことができます。

処方される薬は先ほどお伝えしたフィナステリドとミノキシジルであることが多いのですが、クリニックによってはそれらをブレンドしたオリジナル育毛剤を使用していたり、育毛メソセラピーやHARG療法などといった、頭皮に直接育毛成分や成長因子を注入する治療方法を行っているところもあります。

このような特殊な施術を受けることによって、髪の毛の生えるスピードを一気にアップさせることができます。

まとめ

このように、男性型脱毛症の最初の兆候である生え際の薄毛に気づいたら、とできるだけ早くそれ以上悪化しないように対策を取らなければいけません。

「毎日忙しいから対策を取るヒマがない」「まだそこまで目立ってない」という気持ちも分かりますが、治療が1日遅れれば治療にかかる時間は3日遅れると思ってください。

それ程、薄毛は早期の治療が重要になるのです。生え際が薄くなってきた段階で適切な処置をすれば、40代になっても50代になってもふさふさの状態をキープすることができるでしょう。

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