
薄毛が目立ってきて育毛剤の使用を始めたとしても、その効果が現れるまでには3ヶ月から半年以上の期間が必要になります。それまでの期間、薄毛の状態を周りに見せ続けなければいけなくなります。
そんな時、頼もしい味方になってくれるのが薄毛隠しです。薄毛隠しは、自分で使用量を調整することができるので、徐々に使用量を増やしながら、薄毛を隠していくことが可能です。
薄毛を隠すためにはカツラという方法もありますが、カツラの場合はかぶり始めた初日に周りの人にばれる可能性が高いです。その意味で、一時的な薄毛隠しや、育毛剤使用中の効果が出るまでの期間は、薄毛隠しを利用するのがお勧めです。今回の記事ではそんな薄毛隠しのタイプや、メリット、デメリットなどについてお伝えしていきます。
薄毛隠しの種類
薄毛隠しは大きく分けて2つの種類があります。粉末をふりかけるパウダータイプのものと、噴射するスプレータイプのものです。
それぞれに特徴がありますので、まずどちらを使用するのか決めるためにもそれぞれの使いどころやメリットなど理解しておきましょう。
パウダータイプ
薄毛隠しというとパウダータイプの方が有名なのではないでしょうか。歴史がある商品で言うと「スーパーミリオンヘアー」などがあります。
パウダータイプの薄毛隠しは、「ふりかけ」等とも呼ばれ、その存在を知ってる人も多いと思います。
ふりかけという言葉や、パウダーという言葉から、風が吹いたら粉ごと飛んでいってしまいそうな気もしますが、それでは商品として成立しませんしこれだけのロングセラーにはならないでしょう。
パウダータイプの薄毛隠しは、様々な工夫によって自然な仕上がりが長時間続くように作られているのです。ポイントは、パウダーをふりかけた後に固めるためのミストやスプレーをふりかけるということです。
その効果で繊維が髪の毛に定着し、自然なスタイリングが長時間続くのです。マスカラの髪の毛版ともいえるかもしれません。実際にそのパウダーを見てみるとよくわかるのですが、一つ一つの粒の大きさが均等ではなく、サイズにかなりばらつきがあります。
これは、より仕上がりを自然にするためのメーカーの努力の結果だと言えます。これが静電気の力で髪の毛に付き、その状態でミストやスプレーで固定されることによって、髪の毛が増えたような状態が続くのです。
ちなみに、ミストやスプレーで固定された粉末は、シャンプーによって簡単に洗い流すことができます。塗料のようなものではないので、頭皮に色がついたり、洗っても髪の毛に付いた色が落ちなかったりすることはありません。
あくまでも細かい繊維が髪の毛にくっついているというイメージです。より自然な仕上がりに見せるためには、自分の髪の毛の色に合った薄毛隠しパウダーを選ぶ必要があります。メーカーによっては様々なカラーを用意しているところもありますので、自分の髪の毛に合っている色のものを選ぶようにしましょう。
なかなか自分の髪の毛に合わないと感じる場合は、2種類の薄毛隠しパウダーを重ねてつけてみるのも一つの方法です。また、このパウダーはどうしても使用する時にこぼれ落ちてしまい、服や机、地面などに落ちてしまいます。
そのため、白い服を着て増毛パウダーをふりかけると、服についた粉が目立ってしまいます。染料や塗料ではなく粉末なので払えばすぐに落ちてくれますが、気になる場合は、服の上にケープなどをまとってからパウダーをつけると良いでしょう。
スプレータイプ
薄毛隠しというと、上記のパウダーのタイプを思い浮かべる方が多いかもしれませんが、最近はそれタイプの薄毛隠しも販売されています。パウダータイプの場合は、粉をふりかけて調整してからミストをかけなければいけないので、スタイリングに少し手間がかかります。しかし、スプレータイプであれば、ひと吹きするだけで効果が出るのでスタイリングに時間がかからないというメリットがあります。
このスプレーのメカニズムは、基本的にパウダータイプのものと同じです。小さな黒い繊維をスプレーにして髪の毛に付着させ、髪の毛の薄い部分を黒々と見せるというものです。スプレータイプの場合、定着させるためのミストも同時に噴射されますので、工程が2段階にならず、スピーディーなスタイリングが可能です。
慣れてくれば、毎朝出かける前に10秒間スプレーをすれば人前に出ても恥ずかしい状態までスタイリングすることができます。
ただし、スプレータイプの場合はスプレーした途端に固まってしまうので、パウダータイプのようにしっかりと濃さを調整してから固めるということができません。どこかが不自然に濃くなってしまったら、「その部分を洗い流してもう一度やり直す」か、「全体をその濃さで統一するか」という方法のどちらかしか選ぶことができません。
また、増毛スプレーの中には育毛効果を持っているタイプの商品もありますので、そのタイプの商品を選べば、薄毛が隠せるだけではなく育毛を促進することができます。
薄毛隠しのメリット
薄毛隠しには、育毛や植毛、増毛、カツラなどとは違う様々なメリットがあります。これだけ薄毛治療の技術が発達した現在でも薄毛隠しが売れ続けているのは、このメリットがあるためです。
使用量を調節できる。
薄毛隠しの最も大きなメリットは使用量を調整できるということです。例えば、使い始めた時期は少ししか付けずに、毎日少しずつ付ける量を増やしていくことによって、他の人にバレずに薄毛を隠すことができます。
また、フィナステリドなどの薄毛治療の内服薬と併用することによって、髪の毛が増えてくる状態に反比例するように付ける量を減らしていけば、最初は薄毛隠しで多く見見えた髪の毛が、次第に本物の髪の毛にすり替わっていくという状況を作ることができます。
雨や風に強い
薄毛の方にとって、雨や風は大きな敵です。雨が降り髪の毛がまとまってしまうと、薄毛の部分が目立ってしまいますし、風が吹いてスタイリングが崩れれば、薄毛を隠していた部分があらわになってしまいます。
カツラによって薄毛を隠している人も同様で、雨や風はカツラの不自然さを強調する結果になってしまいます。しかし、薄毛隠しであれば、パウダーが髪の毛についているという形なので、風が吹いても雨が降っても自然なスタイルが崩れません。
毛穴には入り込まないので安全
薄毛の方は髪の毛に付けるものの安全性に敏感です。シャンプーやリンスなどもちろんのこと、ジェルやワックスなども含めて、「これをつけてしまうと髪の毛に悪い影響が出るのではないか」と思い不安になります。
薄毛隠しについても、頭皮につけるものの一種類なので、そのように不安に思う人もいるでしょう。しかし、薄毛隠しのパウダーは粉の1粒1粒の繊維が大きいので、毛穴に入り込んだり、頭皮に浸透したりといった心配はありません。あくまでも、液体ではなく粉末であるということです。
部分的に隠せる
男性型脱毛症はM字型やO字型など、特徴的な薄毛の進行をしますが、免疫異常が原因で発症する円形脱毛症などの場合、男性型脱毛症で薄毛が進行する場所とは違う場所で集中的に抜け毛が起きます。
すると、普段と同じようにスタイリングすると、どうしても不自然になったり薄い部分が目立ってしまったりすることがあります。そんな時に薄毛隠しが効果的です。そもそも男性型脱毛症であれば育毛治療薬を使用することによって改善することは可能ですが、円形脱毛症に関しては免疫異常が原因なので、育毛剤を使用しても回復する見込みはありません。
ステロイドなどを利用することによってある程度回復することは見込めますが、しばらくの期間はその薄毛部分を隠さなければいけなくなります。円形脱毛症には、カツラを使うのも難しいため、この薄毛隠しを利用するのが効果的なのです。
薄毛隠しのデメリット
メリットの部分だけを聞くと、薄毛隠しは万能のようですが、もちろんデメリットも存在します。
至近距離に弱い
薄毛隠しを使用していると、遠目から見た場合は自然に仕上がっているように見えますが、至近距離で見ると粉が付着している様子がわかってしまいます。
そのため、至近距離でまじまじと見られることが少ない頭頂部や後頭部であれば使いやすいのですが、前頭部に使う際にはつけすぎないように注意が必要です。
育毛剤と併用しにくい
薄毛隠しは頭皮に塗るタイプの育毛剤との併用が難しいです。どうしても育毛剤を塗った上から粉をふりかけるという形になるため、液体である育毛剤に粉が付着し、不自然な仕上がりになってしまいやすいです。育毛剤をつけてしばらく時間を置き、乾燥させてから付けるなどという工夫が必要です。
ランニングコストがかかる
カツラは一回購入してしまえば、半永久的に使い続けることができますので、初期費用はかかるものの、ランニングコストはかかりません。
しかし、薄毛隠しの場合は日々消費していくものになるので、ランニングコストがかかります。そこまで高額ではありませんが、積もり積もると大きな金額になります。
地肌を隠すことはできない
薄毛隠しは元々髪の毛が生えている場所にしか効果がありません。パウダーが髪の毛に付着することによって濃く見せるというメカニズムですので、全く髪の毛がない場所にふりかけると、不自然な仕上がりになってしまうのです。
薄毛隠しは結局のところ、一時しのぎでしかない?
薄毛隠しは、付けることによって見た目の髪の毛のボリュームはアップしますが、髪の毛自体が成長するタイプのものではありません。そのように考えると、やはりプロペシアなど育毛内服治療薬を使用しながら回復を望める状態で使用するのが良いでしょう。
そして、髪の毛が増えてきたらそれに合わせて薄毛隠しの使用量を減らしていき、納得のいくボリュームまで髪の毛が増えたら薄毛隠しを卒業するというのが最も理想的な使い方なのではないでしょうか。
まとめ
薄毛が気になる方が一時的にその状態をカバーするために役に立つ薄毛かくし。パウダータイプとスプレータイプの2種類があります。カツラや育毛剤、植毛などにはないメリットがありますが、至近距離で見られると不自然になるというデメリットもあります。
その用途がもしライフスタイルに合うようであれば、育毛剤と併用して使ってみるのも良いのではないでしょうか。