
海の中をゆらゆらと揺れている姿はふさふさの髪の毛がなびいているように見えませんでしょうか?
昔からワカメを食べると髪の毛が増える!と言われています。髪の毛が増えると言われているのはその姿が似ているからというワケではなくワカメに含まれている成分が髪の毛に効果的があるからです。
今日はワカメと髪の毛の関係についてご紹介します。
ワカメを食べても髪は増えない?!
「ワカメを食べれば髪の毛が増える!」と聞いたことはございませんか?薄毛、抜け毛が気になっている人は積極的にワカメを食べていた方もいるのではないでしょうか?
髪の毛を増やす代名詞であったワカメですがワカメを食べるだけで簡単に髪の毛が増えるワケではありません。
ワカメを食べると髪の毛が増える!というのは残念ながら医学的な根拠が乏しいんです。
ただ、ワカメやコンブに含まれている「フコキサンチン」という成分には育毛作用が期待出来るということがわかってきています。
「コンブはやはり髪によい!? 褐藻類特有の成分フコキサンチンに育毛効果を確認」
とはいえ、まだ研究段階ですし何より食事で摂取するだけでは髪の毛に直接的な効果を与えられるワケではありません。
今まで髪の毛に良いと思ってたくさん食べていた人にとっては「今までの努力はなんだったんだ!」「ワカメを必死に食べるために費やした時間を返せ!」と思いますよね。
ワカメの栄養
ワカメは栄養豊富な食品です。ここではワカメが髪の毛に与える栄養についてご紹介していきます。
ミネラル(ヨウ素)
ワカメを食べると髪が増えると言われている一番の要因がミネラルが豊富という点です。特に「ヨウ素(ヨード)」が豊富に含まれているからです。
要素は炭水化物、脂質、タンパク質といった3大栄養素の代謝を促進する効果があります。代謝が促進することによって髪の毛や皮膚、爪などの成長促進に欠かせない栄養素の一つです。ヨウ素はワカメなどの海藻類に多く含まれているため、ワカメをはじめ、海藻は髪の毛に良いとされている理由の一つに上げられます。
フコダイン
フコダインはワカメやコンブ、モズクなどの海藻に含まれています。海藻類がネバネバ、ヌルヌルしているのはこのフコダインの効果で食物繊維の一種です。
フコダインには髪の毛を作る細胞「毛母細胞」を増加させる効果があると言われているためフコダインが豊富なワカメやコンブは髪の毛に良いとされている理由の一つに上げられます。
ビタミン
ビタミンも髪の毛に欠かせない栄養素の一つです。ワカメにはビタミンAやビタミンB群、ビタミンCが含まれています。ビタミンは代謝促進、血行促進して髪の毛の成長を促す効果が期待出来ます。ただ、ワカメに含まれるビタミンだけでは不十分なため野菜などで補う必要があります。
タンパク質
私達の体はタンパク質で作られています。ワカメにはわずかではありますがタンパク質が含まれています。タンパク質は髪の毛の元ですのでタンパク質が不足すると髪の毛を作ることが出来ません。
ビタミン同様、タンパク質はワカメだけで補えませんので肉や魚、豆類などタンパク質豊富な食品と一緒に摂取する必要があります。
ワカメで髪の毛が増えない理由
ワカメにはヨウ素、フコダインといった髪の毛に良いとされている成分が豊富だということがわかりました。それでもワカメだけでは髪の毛が増えたり、抜け毛を予防出来るとは言い切れません。
理由①:医学的な根拠が乏しい
ヨウ素は髪の毛の成長促進に欠かせない成分であることは間違いないでしょう。ただ、ヨウ素を摂取しただけで髪の毛が成長するワケではありません。
タンパク質やビタミンなど様々な栄養を摂取することで髪の毛は成長していきます。そのため、ヨウ素だけといったように特定の食品だけで髪の毛に影響を与えているかどうかを検証している根拠がないのです。
ワカメが良い影響を与えている可能性はありますが確実に良いと断言することは出来ません。
理由②:大量摂取の必要がある
先ほどご紹介したワカメの栄養素について、それぞれの効果については間違いありませんが髪の毛を劇的に成長させるためには大量に摂取する必要があります。
そのため、毎日の食事にワカメを取り入れる程度ではほとんど効果が期待出来ません。栄養豊富なので日々の食事に取り入れるのは良いことです。ただ、髪の毛のために摂取するのであれば食事からの摂取では難しいでしょう。
基本はバランス
海藻など特定の食品や栄養素だけで増毛は望めません。健全な発毛に大切なのはバランスです。
極端なダイエットをすると髪の毛がごそっと抜けてしまうという話を聞いたことはありませんか?サラダしか食べないダイエットや極端な断食を行うダイエットをした場合、生きていくために必要な栄養が入ってきません。そのため髪の毛を維持する栄養が補えずに抜け落ちてしまいます。
髪の毛を作るために必要な栄養素はタンパク質です。タンパク質の不足=髪の毛の栄養不足となってしまうのです。
ファストフードや炭水化物ばかりの食事など偏った食生活をした場合も髪の毛が抜ける原因となってしまいます。これらの食事はビタミンやミネラル不足を招くため抜け毛の原因となってしまうのです。
このように髪の毛が健全に成長するためにはバランスの取れた食事が必要です。
食事の見直し
バランスの取れた食事が髪の毛の成長には書かせません。まずは日々の食事を見直す必要があります
これからは少し専門的なお話になりますが、できるだけわかりやすくご説明していきますね。
私たちの体は「炭水化物」「脂質」「タンパク質」「ビタミン」「ミネラル」「食物繊維」という6大栄養素で作られています。これらをバランスよく摂取することが、健康につながるのですが、なかなか我々を含む現代人はバランスよく摂取できていません。
よく言われるのが、「炭水化物(糖質)」と「脂質」は十二分に摂取しているのに、「ビタミン」「ミネラル」「食物繊維」「タンパク質」は摂取できていないと言われています。TVCMでも「おいしいものは、糖質と脂質でできている」と流れていますよね?
ここで言う「糖質」は「炭水化物」のことです。炭水化物は体内に入るとブドウ糖へと変換され、脳の栄養になります。「ご飯が大好き」という方は多くいらっしゃいますよね。実は要約すると「糖質大好き」と言っているようなものなのです。
そしてお菓子や揚げ物など脂質も現代人はしっかり摂取しています。確かに豚カツとご飯なんて最高の組み合わせですよね。ラーメンだって炭水化物+脂質です。多くの人が脂質+炭水化物を好んで食べています。
1日の食事を思い返してもらうと、どれだけ「炭水化物」と「脂質」を摂っているかお分かりになると思います。
「脂質」は豚肉や牛肉、鶏肉から摂取できますよね。基本的にそれらの動物は人間よりも体温は高いです。ですから、体内で脂が固まり、血管の周りに溶けないでへばりつくこともないのですが、人間がこれらの脂を摂取しすぎると、血管の周りに脂がへばりついてしまうのです。
わかりやすい例でいうと、こってりラーメンを想像してください。アツアツの出来立てのスープをさらりと液体化していますが、食べ終わってしばらくすると、表面に脂の膜が張ることを見たことはありませんか?実はこれが温度が下がって固まり始めた脂なんです。
これが毛根へとつながる血管に詰まり血流が悪くなると、髪の毛はやせ細り、最終的には抜けてしまうということに…。
魚の脂質がオススメ
しかし、魚の脂は別です。魚は水の中で生息しています。もちろん人間の体温よりも低いところで生息していますが、魚の体内で冷え固まり詰まることはありません。
魚よりも体温が高い人間の体に、その脂が入ってきても、固まることなく血管を流れ栄養として吸収されるのです。ですから、どうせ摂取するなら魚の脂を多く摂取するとよいと思います。
とにかく、全身に栄養を運ぶ血液の邪魔をさせないということです。
カラダの土台作りは、良質な畑の土作りと一緒
私たちの体は「タンパク質」で出来ています。皮膚や髪の毛、臓器など全てタンパク質で構成されています。夏になるとプールに入られる方が多いと思いますが、プールを上がった後、髪の毛がギシギシしますよね。
あれは、プールの消毒に使用された塩素が髪の毛の主成分であるタンパク質を溶かしているからギシギシするのです。では、タンパク質といっても、どんなものを摂取すればいいのでしょうか。
動物性タンパク質
動物性タンパク質とは、動物のお肉から摂取するタンパク質のことです。通常みなさんが食事で摂られることの多いタンパク質です。1日に必要なタンパク質量である60gをひとつの食品で摂ると…。
「サーロインステーキ約3.4枚(515g)」ですが、1日に必要な脂質の約3.3倍も多く摂取してしまいます。「卵は約8個」ですが、1日に必要な脂質の約70%に相当します。タンパク質は取れても、それに付随するものまで多く摂取してしまうことが難点です。
先ほどにも記載しましたが、カロリーや脂質を多くとりすぎてしまうので、髪の毛にもあまりよくありません。そして、動物性たんぱく質は体を大きくする作用もあるので、その点も考えておかないといけません。
植物性タンパク質
植物性タンパク質は「大豆」「エンドウ豆」「大麦」などの豆類に多く含まれるタンパク質のことです。植物性タンパク質は吸収率も良く、カラダにとってとても有効です。
タンパク質は脳の約45%、心臓の約60%、胃腸の約65%、骨の約30%、皮膚の約60%、筋肉の約80%を占めています。基本的には1日に体重の1/100を摂取するとよいとされていますが、生命維持に必要とされる部位にタンパク質は優先的に使われるため、髪の毛や爪などの末端部分まで行き届かせ、健康的なものにするためには、それ以上のタンパク質摂取が必要となります。
溢れるほど摂取すると細部にまで行き届きますので、多くとることをオススメします。もちろん科学的に作られたものや添加物が入っているプロテインはあまり有効ではなく、天然成分で作られ、「アミノ酸スコア100」を表示しているものを摂ることが重要です。
ちなみに納豆で1日の必要な植物性タンパク質を摂取するには約7パック必要です。食べるだけでも大変なので、上手くプロテインなども活用すると良いです。
たんぱく質が不足すると、肌荒れや髪の毛がボサボサになったり、爪がボロボロになります。もちろん免疫力の低下や貧血などにもつながるので、思い当たることがある方は、カラダの土台であるタンパク質に注目し、意識して摂ってみましょう。
足りない場合はサプリメントで補う
健康な髪の毛には食事のバランスが欠かせないというのはご理解頂けましたでしょうか?とはいえ、完璧にバランスの取れた食事を毎日摂るのは難しいですよね。
そんなときに役立つのがサプリメントです。日々の食事では取りにくい栄養はサプリメントで補ってみましょう。
髪の毛に特に良いとされているサプリメントとしては
・亜鉛
・ノコギリヤシ
・大豆イソフラボン
3種類あります。これらのサプリメントで髪の毛に足りない栄養を補ってみましょう。サプリメントについては「サプリメントで抜け毛対策!試してみたい3つのサプリ」で詳しくご紹介していますので参考にしてみてください。
まとめ
日々の食事の中で栄養豊富なワカメを食べることは栄養バランスという点で見れば良いことでしょう。ただ、薄毛予防のためにワカメを食べるのは残念ながら効果はないと言って良いでしょう。
ワカメやコンブには「フコキサンチン」という成分には育毛作用があることがわかったきましたが食事で摂取する程度では劇的な効果は期待出来ません。
髪の毛のケアのためにはワカメだけをたくさん食べるのではなく、バランスの取れた食事を心掛けましょう。日々の食事で摂取しにくい栄養や髪の毛に良い栄養はサプリメントで補うのもオススメです!