薄毛と筋トレの関係について!やりすぎるとハゲるって本当?

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男性らしい身体を手に入れるために、筋トレに励んでいる方もいらっしゃることと思います。ところが、筋トレをやりすぎると、薄毛が進行したり、ハゲてしまったりする可能性が高くなるなどという話があります。

筋トレをやりすぎると本当に薄毛になるのでしょうか。今回は筋トレと薄毛の関係性について迫ってみたいと思います。

筋トレってなに?

薄毛と筋トレの関係について説明する前に、そもそも筋トレとはどのようなものであり、どんな作用で筋力がアップするのかを知っておきましょう。

それによって、薄毛と筋トレの関係についてより理解が深まると思いますよ。

筋力アップのためのトレーニング

筋トレとは、簡単に言うと筋力を向上させるためのトレーニングのことを言います。やり方はさまざまで、腹筋運動や腕立て伏せ、懸垂などの自重を利用したものもあれば、ダンベルや鉄アレイ、スポーツジムの器具を利用したトレーニングもあります。

筋トレの目的も人によっていろいろで、運動時のパフォーマンス向上のためにおこなうこともあれば、見た目を格好良くするためにおこなう人もいます。また、怪我の防止やリハビリ目的でおこなわれることもあります。

筋力アップのメカニズム

それでは筋トレをおこなうと、どのようなメカニズムで筋力がアップするのでしょう。筋肉とは1つの塊ではなく、筋繊維が集まった束のようなものです。鶏のささみを茹でたものをイメージすると分かりやすいのではないでしょうか。

筋トレをおこなうと、筋繊維が断裂します。断裂というと大げさに聞こえますが、例えば筋肉痛になっているときというのは、筋繊維が何本も切れている状態なのです。

だからと言って心配する必要はありません。切れた筋繊維は何日かするとまたくっつきます。そして、くっついた時に以前と同程度の負荷では切れないよう、強くなるのです。このことを、筋トレの世界では超回復などと呼んでいます。

薄毛になる理由とは?

それでは次に、なぜ薄毛になってしまうのか、その原因について見ていきたいと思います。薄毛になる原因は実にさまざまなのですが、今回は男性ホルモンに絞って解説していきます。

男性ホルモンが強力になる

男性に見られる薄毛のことを、男性型脱毛症と呼んでいますが、男性型脱毛症の原因として、男性ホルモンが強力になってしまうことがあげられています。

男性ホルモンとして有名なものに、テストステロンと呼ばれる物質があります。テストステロンにはがっしりとした体つきや、筋肉質な体つきなど、いわゆる男性らしさを形作る働きがあります。

また、テストステロンには精子を作ったり、髪の毛に成長に関わったりすることから、男性らしさを維持するために欠かせないものとなっています。

ところが、男性ホルモンであるテストステロンがより強力な男性ホルモンであるジヒドロテストステロンへと変化することによって、男性型脱毛症が進行してしまうのです。

5α-リダクターゼと結合

男性型脱毛症が進行してしまう際に、重要な働きをするのは5α-リダクターゼと呼ばれる変換酵素です。5α-リダクターゼが、テストステロンをジヒドロテストステロンへと変化させる触媒となるのです。

男性の中には遺伝的に5α-リダクターゼの分泌量が多い人がおり、そのような人は将来的に男性型脱毛症になってしまう可能性が高いとされています。

筋トレで薄毛になる根拠とは?

筋トレと薄毛についてざっと説明したところで、今度はなぜ筋トレをすると薄毛になるといわれるのか、その根拠について見ていきたいと思います。

男性ホルモンが分泌されやすくなる

薄毛になる原因のところでも説明したように、男性ホルモンであるテストステロンには、筋肉を作ったり、骨の成長を促したりする働きがあります。

そして、筋トレをおこなうと、男性ホルモンの分泌量が増加するといわれているのです。男性ホルモンが増加すれば、ジヒドロテストステロンが増加するリスクも高くなるといわけなのです。

交感神経が優位になる

筋トレをすることで薄毛になるリスクが高くなる根拠としては、筋トレをおこなうことで交感神経が優位になるということもあげられています。

交感神経とは自律神経の一種で、車で例えるとアクセルのようなものになります。交感神経が優位になると、血管が収縮して血液の循環が悪くなります。

血液の循環が悪くなった場所は、栄養状態が低下してしまいます。なぜなら、血液が全身に酸素と栄養を運んでいるからです。もし、頭皮に栄養状態の低下が見られれば、髪の毛の成長を阻害したり、成長する前に抜け落ちたりすることとなる訳です。

また、交感神経優位な状態が継続すると、睡眠の質が低下することも分かっています。単純に考えて、筋トレをおこなってゼエゼエハアハアしているときに、布団に入ってもすぐには寝られませんよね。

このようなことから、筋トレをおこなった場合、薄毛になるリスクが高くなるという説がある訳なのです。

医学的に見た筋トレと薄毛の関係

昔から筋トレをやりすぎるとハゲるなどと言われていましたが、結論から言うと医学的な根拠には乏しいというのが現状です。

確かに筋トレをおこなうとテストステロンが分泌されるのですが、男性型脱毛症の原因はテストステロンではなく、テストステロンが強力になったジヒドロテストステロンです。

そのため、筋トレをおこなって薄毛になるかどうかが問題なのではなく、テストステロンをジヒドロテストステロンへと変化させる、5α-リダクターゼの量が問題なのです。

もし、筋トレをおこなうことで薄毛になりやすいのであれば、一般人よりもスポーツ選手やボディビルダーの方に薄毛が多く見られるはずですよね。

確かに、もともと男性型脱毛症の傾向がある人にとっては、筋トレが薄毛を進行させるリスクファクターになる可能性はあります。

ただ、筋トレによって分泌されるテストステロンは、筋肉を回復させたり、強化させたりする目的で増加する訳で、筋トレをおこなったから直ちに薄毛につながるという訳ではないようです。

もう一つ言うと、テストステロンが減少した場合、それを補う目的でジヒドロテストステロンが増加してしまう可能性もあるということです。

筋トレの効果で薄毛予防ができる?

筋トレをおこなうと薄毛になるというのは、どうやら都市伝説のようなものだということが分かって頂けたことと思います。では逆に、筋トレをおこなうことで薄毛予防は可能なのでしょうか。

血行改善効果

筋トレをおこなう目的はさまざまですが、筋肉の量が増えれば血行を改善することが可能となります。なぜなら、心臓には血液を全身に送り出す働きしかないからです。

そのため、全身の各部へと送られた血液は、筋肉が収縮することによって、心臓へと送り返されることとなります。この作用のことを筋ポンプなどと呼んでいます。

男性に比べると女性に冷え症やむくみが多く見られる原因の一つとして、女性の方が男性より筋力に劣っていたり、筋肉量が少なかったりすることがあげられています。

筋トレをおこなうことで筋肉量が増えれば、それだけ心臓へと血液を送り返す力も増すので、全身の血液循環を改善することが可能となります。

先述したように、血液には酸素と栄養を運ぶ働きがあるため、全身の血行がよくなれば頭皮の栄養状態も改善され、髪の毛が生えたり成長したりする土壌が整うこととなるのです。

体温上昇効果

筋トレをおこなった場合の効果として、体温が上昇するということもあげられています。なぜなら、筋肉には熱を生みだす働きがあるからです。

日本人と比べると欧米人にはがっしりとした体型の人が多いですが、そのような人は冬でも半袖のTシャツを着ていたりします。

骨格や筋肉の付き方がどちらかというと華奢な日本人からすると、「寒くないのかな」などと思ってしまいますが、欧米の人は筋肉という衣服を着ているようなものなのです。

ただ、日本人であっても、頑張って筋トレをして筋力アップすれば、平均体温が上昇することが分かっています。

免疫学の観点からすると、平均体温が1℃上昇すると、免疫力が30%向上するとされています。つまり、筋トレをおこなうことによって病気になりにくくなるということなのです。

薄毛というのは言ってみれば頭皮が病んでいるような状態ですから、体温が上昇して免疫力が向上し、血行がよくなって栄養状態が改善されることで、薄毛の予防をおこなうことが可能と言えそうです。

薄毛予防に効果的な筋トレはある?

薄毛を予防するには、筋トレを控えるよりはむしろ積極的に筋トレをおこなった方がよさそうです。では、筋力を効率よくアップさせるには、どのような筋トレをすればよいのでしょう。

スクワット

スクワットは「キング・オブ・エクササイズ」と呼ばれることもある、エクササイズ界では欠かすことのできない筋トレです。

なぜスクワットをおこなうのが筋力アップに効果的かというと、全身の筋肉の70%が下半身に集まっているとされるからです。スクワットをおこなうと、下半身の筋肉を効率よく鍛えられるので、筋肉率の向上にはもってこいなのです。

カーフレイズ

カーフレイズとは、簡単に言うとつま先立ちになって、かかとを上げ下げする筋トレのことを言います。主にふくらはぎを鍛える筋トレとなっています。

ふくらはぎは心臓から一番遠いところにあるので、ふくらはぎを鍛えることによって、心臓へと血液を送り返す働きを強化することが可能なのです。

薄毛予防のためには適度に筋トレをしよう!

今回の記事では、薄毛と筋トレの関係について見てきました。かつては筋トレのやり過ぎが薄毛につながるなどということが、まことしやかに語られていました。

ただ、そこに医学的な根拠は見出せません。むしろ、薄毛を予防するためには、適度に筋トレをおこなって、血行をよくすることが重要だと言えます。

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