
つむじは、男性型脱毛症が発症する典型的な部位です。しかし、普段生活していて、自分のつむじを見る機会はほとんどありませんよね。そのため、知らず知らずのうちにつむじから薄毛が進行しているということがよくあります。
もし、自分が将来的に薄毛になるのではないかと不安になっている人はスマートフォンを使って自分のつむじを確認してみましょう。そして、薄毛になっているのかいないのかを確認してみましょう。
つむじが薄いと言われる基準はどこにあるのか?
「つむじが薄い」と言われても、一体どの段階からが一般的に薄毛と呼ばれる状態なのでしょうか。多くの男性は自分のつむじの状態に対して無頓着です。薄毛が発症する典型的な部位であるのに、頭頂部よりも前頭部の薄毛が進行の方を気にする傾向があります。
これは、そもそも「どの状態からが薄毛なのか」という基準が明確ではないため、自分の基準ではぱっと見ただけでは薄毛なのかどうか判断に困るという理由もあります。
つむじはもともと薄いもの
自分のつむじだけではなく、他の人のつむじも見てもらえばわかると思いますが、どんな人でもつむじの髪の毛は薄いです。髪の毛というものは、すべて皮膚に対して垂直に生えているのではなく、斜めに角度を持って生えています。
毛根の軸は、立毛筋という筋肉によってその角度が調整されています。そして、頭皮に対して、いわば寝ている状態の髪の毛は、つむじの部分を中心に渦を巻くように角度が生じています。そのためどんな人であっても髪の毛の流れの発信地点であるつむじは頭皮が露出しており、髪の毛が薄く見えてしまうポイントなのです。
どんなに髪の毛が多い人でもつむじの部分だけをアップにして頭皮の写真を撮れば、薄毛に見えてしまうでしょう。
男性型脱毛症の典型的な進行ポイント
そもそもつむじは健康な状態であったとしても薄く見えてしまうポイントであるということがわかりました。
しかし、つむじは同時に男性型脱毛症が発症しやすい典型的なポイントでもあります。一般的に、男性型脱毛症は最初に前頭部がM字の形で少しずつ後退していき、次のステップで頭頂部の髪の毛が薄くなっていきます。
そして、徐々に前頭部の後退と頭頂部の薄毛の範囲が広がっていき、最終的には繋がります。そして後頭部と側頭部しか髪の毛が残っていないという状態が出来上がるのです。
この男性型脱毛症の行き着く最後の形態になるまでに、毛髪の状況はグラデーションのように少しずつ変わっていきます。ある日突然パンと段階が進むわけではありません。
ということは、健康な状態であっても薄いという特徴を持つつむじは、よくよく観察しないと薄毛が進行を始めているということに気が付きにくいという特徴を持っています。そして男性型脱毛症の進行が始まったとしても、健康なつむじの状態から徐々に徐々に髪の毛が細くなり、本数が少なくなっていきます。
このあたりの状態は、人によっては「薄い」と感じるでしょうし、人によっては「薄くない」と感じるでしょう。このいわば「通常」と「薄毛」の過渡期にある状態というのは、どちらとも取ることができるので、基準を作るのが非常に難しいです。
しかし、あえて基準を作るとするならば「通常のつむじの状態から比較して明らかに変化が見て取れるほどの毛髪の減少が起きた」といった以前との比較で基準を設けるということは可能です。
自分の薄毛を確認しよう
薄毛が進行しているのかどうかは、定期的なセルフチェックを行うことでしか判断することが難しいです。明らかに薄毛が進行していれば別ですが、「少し薄い」程度であれば、元からそのぐらいだったのか、それとも最近薄毛が進行してきたためにそのように見えるのかは、本人にしかわかりません。
自分では見えにくいのがつむじ
つむじは、当然のことながら自分の目では直接確認することができません。鏡を使用したとしても1枚だけでは確認することはできません。二枚以上の鏡を使って合わせ鏡を作ることでようやくつむじの状態を確認することができます。
スマートフォンの写真撮影機能を使ってつむじを撮影することも可能ですが、光の当たり具合などによって印象が大きく変わってしまうため、写真よりも動画で撮影した方が良いでしょう。動画で様々な角度からつむじを触っている様子を撮影し、他人の目から見て自分のつむじがどのような状態であるのかを確認します。
ただし、比較していくのであれば、静止画も必要です。全く同じ明るさ、全く同じ角度で定期的に撮影をすることによって、つむじの毛量の変化を確認することができます。
薄毛が進行しているサイン?
見た目として「薄くなってきたかどうか」というポイントも大切ですが、もう一つ大切なポイントに、男性型脱毛症の進行のサインとして髪の毛1本1本が細くなるという症状があります。
というのも、男性型脱毛症は悪玉ホルモンの作用によって脱毛促進因子が発生し、その因子が作用することによって、生まれたばかりの髪の毛が細いままどんどん抜け落ちていってしまうのです。そのため、男性型脱毛症が進行しているかどうかの最もわかりやすい目安になるのが、つむじに生えている髪の毛の太さと長さになるのです。
つむじや前頭部から生えている髪の毛が、側頭部や後頭部と生えてる髪の毛と比較して、細くなったり短くなったりしているようであれば、それはもうすでに男性型脱毛症が発症しており、他の人から見ても明らかに薄いという状態になる一歩手前だと思ってください。
基準は自分ではなく他人
つむじのセルフチェックの方法や、つむじが薄いと言われる基準がどこにあるのかというお話をしました。しかしここまでのチェック方法は、結局のところ自分の中の判断基準によるものです。それだけで薄毛だと判断してもよいのでしょうか。
自分だけの判断で薄毛かどうかは決められない
自分で写真を撮影したり動画を撮影したりして、つむじの状態を確認したとしても、あなたにとってそれが薄毛であったとしても、一般的に見ればそれは薄毛でない可能性もあります。またその逆の可能性もあります。
確かに、前回撮影した時よりもつむじが広がっている場合は、男性型脱毛症が進行している可能性が高いですし、つむじ周辺の髪の毛が細く短くなっているのであればそれも男性型脱毛症の進行を示している大きなヒントになります。
しかし、だからといってそれが周りから見て薄毛になるかどうかはわかりません。
つむじが薄いと言われたら、それは薄毛
つむじが薄毛になっているかどうかという基準は、自分だけの判断で決めることができません。やはり大切なのは周りからの印象です。しかし、薄毛というのは非常にデリケートな問題ですので「この人つむじが薄くなっているな」と思ったとしても、それを本人に伝えるという人はほとんどいないでしょう。よほどフランクな間柄でなければ言われることはありません。
そのため、自分自身でセルフチェックをした段階で、少しでも「薄毛かもしれない」という不安を感じたら、友人でも、両親でも、恋人でもいいので、信頼できる人につむじを見せて、現在の状況を見て率直にどう思うかを聞いてみると良いでしょう。その人がもし「薄毛だ」と答えたのであれば、その瞬間から対策をとる必要があります。
特殊なつむじは薄毛とは違う!
つむじと一言で言っても、いくつかの種類があります。中には、薄毛と勘違いされやすい特徴を持ったつむじもありますので注意が必要です。
つむじが2つある
つむじは、多くの人は1つしかありませんが、少ない割合で2つある人がいます。つむじが2つある日本人の割合は7%程度で、そのほとんどは遺伝だと言われています。つむじが2つある人は、天才または放浪者とも言われています。
ちなみにメジャーリーガーのイチロー選手もつむじを2つ持っています。つむじが2つあるということは、髪の毛の薄い部位が2箇所連続しているということになるため、薄毛に見えやすいというデメリットがあります。しかし、これは単なる身体的な特徴ですので、「つむじが2つあるだけ」と考えて、そこまで薄毛の心配をする必要はないでしょう。
つむじが3つある
さらに、1.5%という非常に少ない割合でつむじが3つ存在する日本人もいるようです。1個でもその部分が薄く見えるつむじですから、3つ連続したら、かなり薄く見えてしまうかもしれません。
つむじが薄い基準を満たしてしまったら?
セルフチェックでつむじが薄いという基準を満たしてしまったり、第三者から「つむじが薄い」という指摘を受けたりした場合、できればその日のうちに治療を開始した方が良いでしょう。
治療といっても、病院に行くほど大げさなものでなくても構いません。個人輸入の代理店を経由して、デュタステリドを主成分とする医薬品を購入しましょう。薄毛治療の内服薬としてはフィナステリドの方が有名ですが、デュタステリドは1型の5αリダクターゼにも作用します。
少し専門的な話になりますが、男性ホルモンであるテストステロンと還元酵素である5αリダクターゼが結合することによって、ジヒドロテストステロンという悪玉ホルモンが生まれ、そのジヒドロテストステロンが脱毛を促進させます。
その中の5αリダクターゼは1型と2型が存在し、前頭部には2型、頭頂部には1型が多く分布しているといわれています。薄毛治療薬として有名なフィナステリドは2型5αリダクターゼに作用するという特徴があります。しかし頭頂部の場合、1型5αリダクターゼの方が多く分布しています。
デュタステリドは、1型にも2型にも両方の5αリダクターゼに作用するという特徴を持っていますので、つむじの薄毛を改善したいのであれば、フィナステリドよりもデュタステリドの方が高い効果を期待できるのです。
まとめ
つむじはもともと薄く見えてしまう場所なので、どこからか薄毛なのかという判断基準が非常に難しいポイントでもあります。気になる人は定期的に同じ角度、同じ照明の度合いで写真撮影を行い、薄毛が進行していないかを確認するという方法があります。
しかし結局のところ、その人のつむじの髪の毛の数が多いのか少ないのかを判断するのは自分ではなく他人ですので、本当に気になる人は信頼できる人に聞いてみると良いでしょう。
そして、もし薄毛が進行しているようであればデュタステリドを主成分とした薬品を購入し、服用することによって薄毛の進行をストップさせることができます。