
年齢とともに抜け毛の量が増えたり、細毛が気になったりすることってありますよね。では、なぜ抜け毛の量が増えたり、髪の毛が細くなったりするのでしょうか。
薄毛は男性だけの問題ではないので、薄毛のタイプ別に原因と対処法を見ていきたいと思います。
男性型脱毛症
抜け毛や細毛といったときに、もっともイメージされやすいのが男性型脱毛症です。男性型脱毛症は壮年期以降の男性によく見られる脱毛症ですが、どのような特徴があるのでしょう。
原因
男性型脱毛症の原因はさまざまです。遺伝が有力視されていますが、実際のところ、遺伝が原因で男性型脱毛症になるのは、薄毛全体の4分の1程度とされています。
遺伝以外の要因としては、精神的および身体的なストレス、血行不良、頭皮状態の悪化、誤ったヘアケア、偏った食生活など、さまざまなことがあげられています。
特徴
男性型脱毛症の特徴は、頭部が全体的に禿げあがってくるのではなく、局所が禿げあがってくるということです。特に、前頭部から禿げあがったり、頭頂部が禿げあがったりすることが多いようです。
男性型脱毛症が起こる際には、男性ホルモンであるテストステロンが、より強力な男性ホルモンであるジヒドロテストステロンへと変化していることが確認できるそうです。
その際に重要な働きをする「5α-リダクターゼ」と呼ばれる還元酵素があります。5α-リダクターゼには1型と2型があるのですが、特に2型の5α-リダクターゼが男性型脱毛症に大いにかかわっていることが分かっています。
2型の5α-リダクターゼは主に前頭部や頭頂部といった場所の毛乳頭に多く分布しているため、男性型脱毛症になるといわゆるM字ハゲやO字ハゲになりやすいのです。
対処法
男性型脱毛症になる原因はさまざまなので、まずはなにが原因で男性型脱毛症になっているのかを特定することが重要です。
最近では男性型脱毛症を専門にしている病院やクリニックで、男性型脱毛症になる遺伝子があるかどうかを検査できるようになっています。
それによって自分の男性型脱毛症が、遺伝によるものなのかそうでないのかを特定することができます。遺伝が原因でなければ、その他の原因を探ることとなります。
遺伝が原因でないと分かった場合は、食習慣の改善や生活習慣の見直し、適度な運動やストレス解消、頭皮ケアの見直しなどをおこなうこととなります。
治療法
男性型脱毛症は、最近では病院やクリニックで治療できるようになっています。一般的には男性型脱毛症の治療薬を服用し、経過観察をおこなうのが一般的です。
また、男性型脱毛症を専門としている病院やクリニックでは、1人1人の薄毛の原因に合った生活習慣や食習慣の指導もおこなってくれます。
ただし、男性型脱毛症の治療には保険が適用されないため、治療費は全額自己負担となります。そのため、自分で男性型脱毛症の治療薬を、通販などを通じで購入し、男性型脱毛症の改善に臨んでいる人もたくさんいます。
びまん性脱毛症
びまん性脱毛症は、一般的に女性に見られる薄毛の中でもっともポピュラーな脱毛症だと言われています。では、どのような特徴があるのでしょうか。
原因
びまん性脱毛症の原因もさまざまで、男性型脱毛症と同様に、精神的ストレスや誤ったヘアケア、不規則な生活や睡眠不足などがあげられています。
また、女性の場合に多く見られるのが、ダイエット目的で極端に食事の量を減らすというケースです。それによって頭皮の栄養状態が悪化してしまい、結果として抜け毛の量が増えたり細毛になったりしてしまうのです。
中年期以降の女性にびまん性脱毛症が見られる場合、更年期に入っていることとの関連も指摘されています。
男性型脱毛症の原因として、男性ホルモンが強力化することがあげられていましたが、男性ホルモンは男性にしか分泌されない訳ではありません。女性であっても副腎や卵巣から男性ホルモンが分泌されています。
男性に比べれば女性に見られる男性ホルモンの分泌量は少ない(5%から10%程度)のですが、更年期に入ると女性ホルモンの分泌量が低下するため、相対的に男性ホルモンの量が増える訳です。
そのようにして起こる脱毛症のことを、「女性男性型脱毛症」と呼んでいます。ただし先程も述べたように、女性男性型脱毛症になったとしても、男性のように局所が禿げあがるようなことはありません。
対処法
びまん性脱毛症の原因もさまざまなので、やはり男性型脱毛症の場合と同様、まずはなにが原因となっているのかを特定することから始めることとなります。
びまん性脱毛症が若い女性に見られる場合は、ストレスが原因となっている可能性があります。ストレスとは単に悩みやトラブルといった、精神的なストレスのみを言う訳ではありません。
特に若い女性の場合、ダイエットを目的とした極端な食事制限など、身体的ストレスによってびまん性脱毛症が見られるケースもあります。そのような場合には、食習慣を見直したり生活習慣を見直したりすることが重要となります。
治療法
中年期以降の女性に見られるびまん性脱毛症の場合、ホルモンバランスが乱れている可能性があります。そのため、女性ホルモンを補うような治療法がおこなわれることとなります。
また、食習慣を見直すことによって、びまん性脱毛症の改善を図るケースもあります。特に、大豆に含まれているイソフラボンには、女性ホルモンであるエストロゲンに似た働きがあるということなので、積極的に摂取することが奨められています。
牽引性脱毛症
牽引(けんいん)性脱毛症はその名の通り、髪の毛が引っ張られることによって、牽引された部分の髪の毛が抜けてしまったり、薄毛になったりする脱毛症のことを言います。
原因
牽引性脱毛症の原因としてもっともポピュラーなのは、髪の毛をいつも同じ場所で結んでいることです。女性に多く見られますが、男性でも長髪で髪を結えていれば、牽引性脱毛症になるリスクは高まります。
また、髪を結んでいるだけでなく、いつも同じ場所で分けている場合にも、牽引性脱毛症になるリスクは上昇することが分かっています。
特徴
牽引性脱毛症の特徴は、引っ張られた部分の髪の毛が抜けおちたり、細くなったりするということです。髪の毛が引っ張られることももちろんですが、それ以外にも理由があります。
それは、同じ場所に負担がかかり続けることによって、血行障害を起こしてしまうということです。血液は全身に酸素と栄養を運んでいるため、血液の循環が悪くなった場所は栄養状態が低下してしまいます。
頭皮の同じ場所に負担がかかり続けると、その場所の栄養状態が低下してしまうため、結果として抜け毛の量が増えたり、細毛になったりしてしまうのです。
対処法
牽引性脱毛症へのもっとも単純な対処法は、髪の毛や頭皮にとって負担となる髪形をやめることです。同じ場所で髪の毛を結ばないようにしたり、分け目を変えたりすることが重要となります。
また、頭皮のマッサージをおこなったり、適度な運動をしたりすることで血行を促進し、頭皮の栄養状態を改善することも大事だということです。
抜け毛や細毛はまず原因を知ることが大事です!
薄毛のタイプ別に、抜け毛や細毛が起こる原因を見てきましたが、いかがだったでしょうか。抜け毛や細毛の原因はさまざまですし、男性だけの問題ではないことを理解して頂けたことと思います。
もし、抜け毛や細毛が気になるときには、まずなにが原因かを特定するように心がけましょう。