
抜け毛の原因はさまざまですが、抜け毛を改善するためには血行を改善することがもっとも重要だといっても過言ではありません。
今回の記事では、抜け毛の原因を探ることによって、血行改善がいかに抜け毛予防にとって重要なのかを解説していきたいと思います。
抜け毛の原因その1・遺伝
抜け毛といったときに、もっともポピュラーなのが壮年期以降の男性によくみられる「男性型脱毛症」と呼ばれる抜け毛です。男性型脱毛症の原因としては、遺伝がその原因の1つとしてあげられています。
「ハゲは遺伝する」などということを聞いたことがある人も多いことと思いますが、実際に薄毛全体の4分の1程度は、遺伝によって起こると考えられています。
男性型脱毛症が起こる原因として、男性ホルモンであるテストステロンがより強力なジヒドロテストステロンへと変化することがあげられていますが、テストステロンがジヒドロテストステロンへと変化する際に、5α-リダクターゼが重要な働きをすることが分かっています。
そして、遺伝的に5α-リダクターゼの分泌量が多い場合、必然的にジヒドロテストステロンの量も増加する傾向があるので、抜け毛が増えやすくなってしまうのです。
また、アンドロゲンレセプターと呼ばれる男性ホルモンの受容器があるのですが、アンドロゲンレセプターの感受性が高いと、ジヒドロテストステロンに反応しやすくなり、やはり抜け毛が増えやすくなってしまうということです。
このアンドロゲンレセプターの感受性に関しても、遺伝的に受け継がれる可能性があるということです。ただし、先ほども述べたように、遺伝が原因の薄毛は全体の4分の1程度なので、親が薄毛だからという理由だけで嘆く必要はありません。
抜け毛の原因その2・ストレス
ストレスは万病のもとなどと言いますが、抜け毛にとってもストレスは大敵です。ストレスのなにがいけないかというと、ストレス状態が継続することによって、自律神経のバランスが乱れてしまうからです。
自律神経は私たちの生命活動を支えてくれています。私たちが特に意識をしなくても呼吸をしたり、体温調整したり、食べたものの消化や吸収ができたりしているのは、自律神経が勝手に働いてくれているからです。
髪の毛の成長や毛母細胞の分裂も、自律神経の働きによっておこなわれています。ところが、ストレス状態が長く続いて自律神経のバランスが乱れると、新陳代謝にも悪影響を及ぼすこととなってしまいます。
結果として、髪の毛が十分に成長しなくなってしまったり、成長を終える前に抜け落ちたりしてしまうこととなるわけです。
抜け毛の原因その3・血行不良
今回のメインテーマである抜け毛と血行の改善ですが、抜け毛予防をおこなっている育毛サロンや、薄毛治療の現場で血行を促進する薬が用いられていることからも、いかに抜け毛予防にとって血行がカギを握っているかが分かります。
そもそも血液は全身に酸素と栄養を運んでおり、血行が悪くなった場所には栄養状態の低下がみられることとなるのです。そのため、頭部への血行不良が起これば、頭皮の栄養状態が低下することとなります。
あたり前といえばあたり前ですが、頭の位置というのは心臓よりも上にありますよね。そのため、心臓は重力に逆らって、血液を上方へと送り出す必要があります。
ところが、心臓から頭部への血液の通り道である、首や肩といった場所の筋肉が緊張していると(こっていると)、血管が圧迫されて血行が悪くなってしまいます。
また、冷え症やむくみがある人の場合、全身の血液循環が悪くなってしまうので、やはり頭皮の栄養状態が低下することとなります。生活習慣病などが原因で、血行が悪くなることもあるでしょう。
血行不良によって抜け毛が増えるというのは、たとえば土に食物を植えたのに水を遣らないのと同じようなことです。髪の毛が育つのに必要な、十分な栄養が届かなければ、髪の毛の成長が阻害され、抜け毛も増えることとなるのです。
抜け毛の原因その4・季節性の抜け毛
人間も動物だからという訳でもないのでしょうか、季節によって抜け毛の量が増えることがあります。1年の中でもっとも抜け毛の量が増える季節は秋であるといわれています。
人間の毛髪は一般的に100,000本あるとされており、1日あたり50本から100本程度抜け落ちていくとされています。ところが、秋になると1日あたり200本から300本ほどの抜け毛がみられることもあるということなのです。
ただ、髪の毛が生えてから抜け落ちるまでの期間をヘアサイクルと呼んでおり、ヘアサイクルは髪の1本1本異なっているため、抜け落ちる周期が来たからと言って、髪の毛が一斉に抜けるようなことはありません。
仮に秋になって一時的に抜け毛の量が増えたとしても、ヘアサイクルが正常であれば、目に見えて髪の毛が減ったような感じはしないはずです。
抜け毛への対処法
抜け毛の原因については、おおよそのところが分かって頂けたことと思います。では、「最近抜け毛の量が目立つようになってきたな」とか「地肌が透けて見えるようになってきた」などという場合、どのようにして対処していけばよいのでしょうか。
血行を改善する
抜け毛が目立ってきた場合には、まず生活習慣を見直すことが重要です。特に、血液の循環が悪くなるような生活習慣をしていないかを確認してみましょう。
もっとも簡単な血行改善の方法は、お風呂に入る時にしっかりと湯船に浸かり、身体を温めるという方法です。身体が温まれば血行がよくなるだけでなく、身体が冷えていく過程で自然と眠くなり、睡眠の質を向上させることも可能となります。
また、適度に身体を動かすことも血行を改善するのに効果的です。余裕があればジョギングをおこなったり、ふくらはぎを中心とした下半身の筋肉を鍛えたりするとよいでしょう。
仕事が忙しくてそんな暇はないという人は、普段使っているエスカレーターを使わずに階段にしてみるとか、帰りの電車を1駅前で降りて、1駅分だけでも歩くようにするなど工夫するとよいでしょう。
ストレスを発散する
薄毛に限ったことではありませんが、過度のストレスが身体にとってなんのメリットもありません。そのため、日頃からストレスをため込まないようにすることが重要です。
たまには旅行に行ってストレスを解消するとか、カラオケで大声を出してすっきりするとか、気の置けない友人と楽しくお話しをするなどして、ストレス管理をおこなうように心がけましょう。
専門家に相談する
抜け毛の原因のところでも述べましたが、薄毛全体の4分の1が遺伝ということでした。ということは、単純に計算して薄毛の4分の3は遺伝以外が原因だということになります。
ただ、抜け毛の原因はさまざまな要素が絡まりあっているため、素人が「これが原因だ!」と判断するのは難しいものです。そこで、薄毛や男性型脱毛症を専門としている病院やクリニックで相談するのも一つの手です。
また、病院やクリニック以外にも、育毛サロンがあります。育毛サロンでは画像によって頭皮の状態を確認したり、薄毛の相談に乗ってくれたりします。初回は無料のところも多いので、一度相談してみるのもよいでしょう。
抜け毛予防には血行改善が重要です!
抜け毛と血行の関係について見てきましたが、いかがだったでしょう。遺伝による薄毛は全体の4分の1程度しかないこと、その他は生活習慣がかかわってくることなど意外だったのではないでしょうか。
中でも血行不良は頭皮によってデメリットしかありません。抜け毛が気になりだしたら、血行を改善しましょう!