朝シャンが薄毛の原因に?皮膚炎を発症するリスクも!

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薄毛を予防するために良かれと思ってやっていることが、かえって薄毛を助長しているとしたら悲劇というしかありませんよね。

今回は、朝シャンをはじめとした、誤ったヘアケアについて解説するとともに、薄毛の仕組みについても見ていきたいと思います。

朝シャンがなぜ薄毛の原因になるの?

朝シャンをしている人は少なからずいることと思いますが、なぜ朝シャンをすることが薄毛につながってしまうのでしょうか。それには大きく分けて3つの理由があります。

皮脂を落としすぎてしまう

朝シャンをしている人の中には、夜の間に汗をかいたり寝癖がついてしまったりして、それを解消するために朝シャンをしているという人もいることと思います。

夜にシャンプーをして、朝にもシャンプーをすると、頭皮にとって必要な皮脂を落としすぎてしまうという可能性があります。

皮脂というとべたつきの元として嫌われがちですが、実際には私たちの肌にうるおいを与えたり、外部からの刺激から肌を守ったりする働きがあるのです。

そのため、皮脂を洗い落としすぎると、頭皮が乾燥してしまい、炎症やかゆみを誘発しやすくなってしまいます。また、それが原因でカサカサのフケが出てしまうこともあります。

反対に、皮膚が乾燥することによってかえって皮脂の分泌量が増える可能性もあります。それによってベタベタしたフケが出るようなこともあります。

不潔な状態が長く続く

朝シャンをしている人の中には、夜は頭を洗わないという人もいると思います。人間は1日を過ごす間に、さまざまな汚れを身にまとってしまうものです。

特に、頭部というのはその他の身体の各部と異なり、常に表にさらけ出されている場所です。そのため、ホコリなどさまざまな汚れが頭にくっついてしまいます。

また、汗をかいた頭皮をそのまま放置してしまうと、雑菌が繁殖してしまい、かゆみやかぶれ、炎症などを起こしてしまうリスクも高くなります。

そのような状態で寝てしまうと、雑菌繁殖の温床となってしまい、頭皮環境が悪化してしまいます。結果として薄毛になるリスクも高くなってしまうという訳なのです。

睡眠の質が悪くなる

朝シャンをする人で、朝から湯船に浸かるという人は少ないのではないでしょうか。たいていは頭や身体を洗っておしまいということになると思います。

朝シャンをして夜にお風呂に浸からないと、1日に疲れが取れないだけでなく、自律神経のバランスにも影響を与えてしまいます。

日本人の8割は交感神経優位型(緊張型)といわれており、パソコンやスマホの普及とも相まって、自律神経のバランスが乱れやすくなっています。

交感神経とは車に例えるとアクセルのような働きを有しており、交感神経優位状態が続くというのは、夜になってもアクセルを踏みっぱなしのような状態が続くことを意味します。

本来であれば、夜は副交感神経が優位になって、リラックスすることで快適な睡眠に落ち、それによって疲労が回復したり、新陳代謝が促進したりするのです。

そのために入浴はとても重要な習慣となります。入浴することで血行が促進し体温が上がり、リラックスして副交感神経が優位になります。

そして、温まった身体が自然と冷えていく過程で、眠くなるという副産物が生まれるのです。そのようにして寝てあげると、質のよい睡眠が得られるという訳なのです。

寝ている間には成長ホルモンが分泌されます。成長ホルモンというと成長期にしか分泌されないように思われるかもしれませんが、人間が生きている間は一生に渡って分泌されるものです。

そして、成長ホルモンが分泌されるゴールデンタイムと呼ばれる時間帯があり、それは夜の10時から明けて午前2時の間だとされています。

そのため、成長ホルモンが分泌されるゴールデンタイムに、質のよい睡眠をとることが薄毛予防や薄毛の改善にとって重要となるのです。

朝シャンだけで夜に入浴をしていない場合、睡眠の質が低下して薄毛になるリスクが高くなると言えます。ただ、だからと言って朝に湯船に浸かるのも考えものです。

なぜなら、寝ている間は心拍数が低下し、血圧が下がり、体温も低下しているからです。そんな状態で湯船に浸かってしまうと、心臓に負担がかかり過ぎてしまい危険です。

朝シャンのその他の問題点

朝シャンには薄毛になるリスクが高くなるだけでなく、その他にもいくつかの問題があります。では、どのような問題があげられるのでしょうか。

洗い残しのリスクが高くなる

朝シャンをする人には、どのような生活習慣があるのでしょうか。朝、シャンプーを浴びた後しっかりと髪の毛を乾かし、ゆっくりと朝ごはんを食べて、紅茶を飲みながら新聞を読む…なんて人は少ないのではないでしょうか。

現代人は忙しいものですが、特に朝というのは5分10分がとても貴重なものだと思います。そのため、朝シャンも必然的に雑になりがちです。

時間を短縮するために皮膚を擦ってしまったり、すすぎが足りなくてシャンプーやコンディショナーが頭皮に残ったりするリスクが高くなってしまいます。

皮膚を擦って傷つけてしまえば、炎症を起こす可能性が高くなりますし、洗浄力の強いシャンプーが頭皮に残ってしまえば、かぶれやかゆみの原因ともなりかねません。

乾かし方が不完全になる

女性の場合はともかく、髪の短い男性の場合、朝シャンをしてタオルで頭を拭いたら、あとは自然乾燥という方も多いのではないでしょうか。

ところが、自然乾燥にして頭皮が湿っている状態が続くと、雑菌が繁殖しやすくなってしまいます。また、気化熱によって体表から熱が奪われて冷えてしまうこととなります。

頭皮が冷えれば血行が悪くなります。血液は全身に酸素と栄養を運んでおり、頭皮の血行が悪くなれば、頭皮環境が悪化してそれが薄毛になるリスクを高めてしまいます。

最悪、朝シャンをする場合でも、しっかりとドライヤーで乾かすことが重要です。ただし、ここでも朝という時間帯がネックになります。

髪の毛は本来、ドライヤーでゆっくりと優しく乾かしてあげることが重要なのですが、朝のあわただしい時間帯だと、あまりゆっくりしている暇もありません。

そのため、なるべく短時間で乾かそうと、熱風を髪の毛や頭皮に浴びせることとなってしまいます。それによって髪の毛や頭皮にダメージを与え、結果として薄毛になるリスクが高くなってしまうのです。

朝シャンを奨める医師も

朝シャンにはさまざまな弊害を生み出すリスクがあるのですが、医師によっては朝シャンを推奨している人もいます。ただし、誰にでも推奨できるというものではないようです。

では、どのような人が朝シャンを奨められているかというと、対象は汗っかきの成人男性です。男性はもともと皮脂の分泌量が女性よりも多いため、夜に頭を洗っても、朝になるとまた皮脂が大量に分泌されているケースが見られるそうです。

そのようなオイリーな男性に限り、朝シャンが推奨されているのです。ただし、そのような場合でも、髪の毛を洗った後にドライヤーでゆっくりと、優しく乾かすことが重要なことに変わりはありません。

朝シャンで皮膚炎になることも!?

朝シャンを続けていると、場合によっては皮膚炎になってしまう可能性もあるということです。特に、脂漏性皮膚炎になるリスクが高くなるということなのですが、では脂漏性皮膚炎とはどのような疾患なのでしょう。

脂漏性皮膚炎とは?

脂漏性皮膚炎は、漢字からもなんとなくイメージが付くと思いますが、皮脂の分泌量が増え過ぎることによって起こる疾患のことを言います。

皮膚の病気としては比較的ポピュラーな疾患ですが、放っておくとなかなか治らないという特徴を持っています。必ずしも頭皮にのみ見られるという訳ではなく、皮脂の分泌量が多い場所であればどこでも起こり得るということです。

頭皮に脂漏性皮膚炎が見られる場合、ベタベタとしたフケがたくさん出て、頭皮に赤みをもつ炎症が見られ、かゆみをともなうのが一般的だということです。

脂漏性皮膚炎の原因

脂漏性皮膚炎の原因は、実はハッキリとしたことが分かっていないということです。遺伝的な要因やストレス、環境的要因など、複数のリスクファクターが関与して起こると考えられています。

最近の研究では、皮膚の常在菌であるマラセチアという真菌(カビの一種)が脂漏性皮膚炎の原因ではないかと考えられるようになってきています。

頭皮にカビなどというと驚かれるかもしれませんが、私たちの皮膚や体内にはたくさんの常在菌が存在しており、それぞれ微妙なバランスを保っています。

健康な状態でいれば常在菌が悪さをするようなことはないのですが、風邪を引くなどして免疫力が低下していると、常在菌が悪さを始めるという訳なのです。

特に、マラセチアは皮脂をエサとしているため、皮脂の分泌量が増え、マラセチアが大量に増殖すると、脂漏性皮膚炎も悪化すると考えられているのです。

脂漏性皮膚炎が進行してしまうと、頭皮環境の悪化にともない、抜け毛の量が増えたり、薄毛になるリスクが高くなったりするとされています。

脂漏性皮膚炎の治療法

病院での脂漏性皮膚炎の治療は、一般的に抗真菌薬やステロイドを用いることとなります。また、脂漏性皮膚炎の改善には、生活習慣の見直しも重要だということです。

使っているシャンプーが合わないような場合や、市販の洗浄力が強いシャンプーを使っている場合は、天然由来の成分から作られた、頭皮に優しいシャンプーに変えるとよいでしょう。

また、脂っこい物や甘い物の食べ過ぎ、アルコールの摂り過ぎをやめ、ビタミンB群を多く含む食品を積極的に摂るように心がけましょう。

朝シャンは一部の人を除いておススメできません!

皮脂の分泌量が多い一部の成人男性を除けば、基本的に朝シャンは頭皮や髪の毛にとってあまり好ましくないということを理解して頂けたことと思います。

やはり夜に頭を洗って、湯船で身体を温めることが、頭皮や髪の毛の健康を保つ上で重要だということですね。

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