
最近、筋トレがにわかにブームになってきています。
筋トレに関する様々な書籍や多くのYouTuberが筋トレの方法や食事の管理方法などをアップされています。夏に向けて少しでもカッコイイ体を作りたいと一生懸命、筋トレに励んでいる方も多いのではないでしょうか?
でも今この記事を読んでいるあなたは筋トレするとAGA(男性型脱毛症)が進行するの?と不安に感じていませんか?
もし、筋トレでAGAが進行してしまうのならカッコイイ体を諦めて髪の毛を守りたい!と思っているのではないでしょうか?
今日は筋トレとAGAの関係についてご紹介していきます。
筋トレしてハゲる人・ハゲない人
結論から言います。筋トレをすることでAGAが進行する人と進行しない人、両方存在します。つまり、人それぞれということになります。
筋トレしてAGAが進行するかしないかは遺伝によるということになります。
親族の中ハゲはいない!という方であなた自身も今のところ薄毛の心配をしていないという方は筋トレしても薄毛に悩む心配はないです。
一方、親族に薄毛が多い方や父や祖父も薄毛という方は筋トレすることでAGAが進行してしまう可能性があります。
遺伝については「薄毛は子供に遺伝する?遺伝以外の原因も紹介します!」 で詳しくご紹介していますので参考にしてみてくださいね。
もし、薄毛の親族が多いという方やもうすでにAGAが進行しているという方は後ほど筋トレしながらAGA進行させない方法についてもご紹介しますのでご安心ください。
その前にまずはAGAが発症する理由についてご紹介していきます。
AGAが発症するメカニズム
AGAは先程もご紹介したように遺伝的要因もありますが、もう一つの原因として「男性ホルモン」があります。
「ハゲは性欲が強い」と昔から言われているように男性ホルモンはAGAに大きな関わりがあります。
「毛包」という頭皮の内側にある器官で髪の毛の元となる細胞がある箇所です。その毛包の中には「Ⅱ型5αリダクターゼ」という酵素があります。その一方で毛細血管の血液中には「テストステロン」という男性ホルモンが循環しています。
毛包の中にある酵素「Ⅱ型5αリダクターゼ」と血液中の男性ホルモン「テストステロン」が結びつくことで「ジヒドロテストステロン」という物質が生成されます。
ジヒドロテストステロンがアンドロゲンレセプター(男性ホルモン受容体)と結びつくことで薄毛に関しては好ましくない役割を持つ遺伝子(脱毛因子TGF-β)に働きかけてしまうためAGAが発症します。
ちょっと難しい話になってしまいましたが下記の画像を見るとイメージ出来るかと思います。
つまり、ジヒドロテストステロンの生成がAGAを引き起こす要因、元凶となる原因物質なんです。
実際にAGAの脱毛部分では高濃度のジヒドロテストステロンが存在していると言われています。
筋トレとの関連性は?
AGAの発症理由についてはご理解頂けましたでしょうか?難しい説明となりましたが、大切なのは「ジヒドロテストステロン」がAGAの元凶ということです。
ではなぜAGAと筋トレが関連しているのでしょうか?その理由は筋トレをすることで男性ホルモンが多く分泌されるためです。
筋力トレーニングをすると成長ホルモンと男性ホルモンである「テストステトロン」が増加するということが実証されています。
出典:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/2796409
つまり、筋トレすることで「テストステトロン」が増加し、その「テストステトロン」が「5αリダクターゼ」と結びつくことで「ジヒドロテストステロン」も多く生成される可能性があるためAGA発症の原因となります。
また、実際にテストステトロンが増加した場合AGAを進行させるのか?という研究もされています。
出典:http://www.sitri.it/hamilton/Hamilton.html
この研究結果によると、遺伝的にAGAを発症する可能性がある人はテストステトロンが増加することでAGAが進行し、遺伝的にAGAを発症する可能性が少ない人はテストステトロンが増加してもAGAは進行しないということがわかっています。
このように筋トレによってAGAが進行するかどうかは遺伝によるということがわかります。
テストステトロンが増加する原因は筋トレだけではありません。性的な刺激やライバル心、食事など様々な要因があります。また、テストステトロンが増加すると必ずしもジヒドロテストステロンが生成されるというワケでもありません。
遺伝はもちろんのこと、筋トレだけがAGA発症の原因ではありませんが遺伝的にAGA発症する可能性がある人は筋トレがその一因になる可能性があることは覚えておくべきでしょう。
遺伝について
筋トレによってAGAが発症するかしないかは遺伝によるということがわかりました。では、遺伝によって何が異なるでしょうか?ここでは遺伝について説明していきます。
AGAが発症する可能性がある人と可能性が少ない人の場合、「アンドロゲンレセプターの感受性の強弱」が異なります。
上記の図の部分が遺伝によって異なるということになります。筋トレすることでテストステトロンが増加し、ジヒドロテストステロンが生成されてもアンドロゲンレセプターの感受性が弱い人は「脱毛因子TGF-β」に働きかけることがなく、AGAも進行しないということになります。
逆にアンドロゲンレセプターの感受性が強い人はAGAが進行しやすいということになります。
遺伝子を調べる方法は?
このように遺伝によってアンドロゲンレセプターの感受性の強弱が異なるということがわかりました。でも、実際自分の遺伝子はどうなってるの?と思っても自分ではわかりませんし親族の様子だけでは可能性程度しかわかりません。
自分の遺伝子がどうなっているのか知りたい場合、自分で調べることが出来るんです。
口の中の頬の細胞を採取し、発送するだけで自分の遺伝子を検査してくれます。自分がAGAの可能性が高いのか、低いのか知りたい方は試してみてください。
筋トレをする、しないにかかわらず将来的にAGAに注意すべきか、特に気にする必要がないのかを知ることで対策方法も変わってきます。
筋トレしながらAGAを予防する方法は?
遺伝的にAGAを発症しやすいという方やもうすでにAGAが進行していてAGA対策しながら筋トレもしたいという方も多いと思います。
ここでは筋トレしながらAGAを予防する方法についてご紹介していきます。
サプリメント
亜鉛
亜鉛サプリメントはAGA予防に活用されているサプリメントです。亜鉛は人体にごく少量しか存在しない希少なミネラルです。特に日本人は不足しやすいミネラルでもあります。亜鉛は牡蠣などの豊富に含まれていますが日々の食事では摂取しにくいミネラルなんです。
亜鉛は「5αリダクターゼ」を抑制する作用があります。「5αリダクターゼ」はテストステトロンと結びつくことで「ジヒドロテストステロン」の分泌を促進させます。つまり「5αリダクターゼ」を抑制することで筋トレによって「テストステトロン」が増加しても「ジヒドロテストステロン」の分泌を抑えることが出来る可能性があります。
ノコギリヤシ
「インディアンにハゲはいない!」という言葉を聞いたことはありませんか?実際にインディアンに会ったことがある人はほとんどいないと思いますが昔から都市伝説として語られています。
ただ実際に調査したところ、インディアンは劇的に薄毛の人が少なかったそうです。インディアンに薄毛が少ないのは遺伝的な要素はもちろんのこと、様々な理由はあるかもしれませんがそのうち一つにインディアンは滋養強壮のために「ノコギリヤシ」を食していたためと言われています。
ノコギリヤシはヤシ科のハーブの一種です。日本に馴染みのない植物ですが現在ではサプリメントで簡単に摂取することが出来ます。
ノコギリヤシの「オクタコサノール」や「ステロール」と言われる成分が「5αリダクターゼ」を抑制する作用があると言われています。
ノコギリヤシは亜鉛との相性が良く、併用することでAGA予防につながります。
亜鉛、ノコギリヤシともにAGAの予防が期待出来ますが少なくなった髪の毛を増やす作用はほとんどありません。あくまで予防として活用しましょう。
イソフラボンを摂取する
大豆製品、納豆や豆腐、豆乳などに多く含まれている成分でイソフラボンにも「5αリダクターゼ」を抑制する作用があります。
豆腐や納豆などの大豆製品にはタンパク質も豊富に含まれています。そのため、筋トレ中にも最適な食品のうちの一つです。そのため筋肉のためにもAGAのためにも積極的に食べたい食品といえます。
またイソフラボンのサプリメントもありますので大豆製品が嫌いな方はサプリメントを活用するのも手段のうちの一つです。
アルコールを控える
アルコールを控えることもAGA予防となります。アルコールを摂取すると、アルコールを分解する際に大量のミネラルが消費されます。消費されるミネラルの中に亜鉛も含まれています。
亜鉛がアルコール分解に使用されると体内の亜鉛が不足し、「5αリダクターゼ」を抑制することが出来なくなってしまい、AGAが進行しやすくなってしまいます。
AGAとは直接関係ありませんが大量のアルコールは筋肉の成長を阻害してしまうため、筋肉のためにもAGAのためにもアルコールは極力避けましょう。
喫煙を控える
喫煙することで体内に活性酸素が発生します。活性酸素は体内で酸素によって分解されますがこの際に亜鉛が消費されてしまいます。
アルコール同様、「5αリダクターゼ」を抑制する亜鉛が失われてしまうとジヒドロテストステロンの分泌が促進されますのでAGAの原因の一つになります。
AGA予防のためには禁煙することをオススメします。
まとめ
筋トレすることでAGAが発症するか、しないかについては遺伝が大きく関わってきます。遺伝子によっては筋トレしても問題ない人、AGAを促進する原因になる人、人それぞれということです。
遺伝子については自分でチェックする方法がありますので気になる人は一度チェックしてみてください。
遺伝的にAGA発症の可能性が高い人も筋トレをしてはいけないワケではありません。サプリメントを活用したり生活習慣を見直すことで発症リスクを抑えることが出来ます。
また、筋トレがすべての原因ではありません。AGAは様々な要因が絡み合って発症するため筋トレ止めたからといってすべてのリスクを排除出来るわけではないのであまり気にする必要はないといえます。
健康維持やストレス解消のためにも適度な筋トレ、適度な運動はしたほうが良いかもしれませんね。